奇しきめぐり合わせ。

28-出張-(Side B) ページ28

もやもやすることはたくさんある。

それでも、

毎日時間は不規則だけれど

帰ってくる旦那のことは愛していると思うし、

自由にさせてくれるのだから、

申し分ないくらいだ。

たまに出張で泊まりと言われる日は、

学生時代の友達と遊んでもなにも言われないし、

結婚していても子どもが居ないから

独身とさほど変わらない生活をしている。

だから、

今日はこうやって出掛けている。

泊まりの出張で旦那が帰ってこないから。


友人「Aは本当に恵まれてるよね。

旦那も超イケメンだし優しいし。

それにまだ自由に遊ばせてくれるんだから」


多分、周りからみたら私は恵まれている。

最近結婚した友だちは、

大きなお腹を撫でながら旦那の愚痴を溢しつつ、

私にそんなことを言ってくる。

でもね。

口では愚痴を言いながらも、

そのお腹から

シアワセが溢れだしているのに気が付いてるのかな。

羨ましいとかではないのだけれど、

シアワセって本人は気が付かないものなんだなと

別のところで考えていた。

久しぶりに飲んだキャラメルマキアート。

キャラメルが喉に貼りつくように感じるのは、

目の前の友人の惚気のような愚痴が混ざって重くなってきたからかな。

なんだか急に旦那に会いたくなったのは、

私のシアワセはそこにあるってわかっているから。

お手洗いに立ちつつ、スマホを開いて、


「明日、何時くらいに帰ってくるの？」


そんなメッセージを送信する。

すぐについた既読の文字。


-昼過ぎには帰れるはずやで？-


「駅まで行ってもいい？」


-どないした？急に-


「会いたくなった」


-可愛いことを言うなぁ、ほんまにAは-


会話するように文字が飛んでくる。

ということは、

今はちょうど時間が空いてたのかな。


-時間わかったら連絡するわ-


それで止まった文字の会話。

今日はもうこれで帰る流れだし、

そういえば先日、投函したカタログのセットも届いたばかり。

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