27-カタログギフト-(Side B) ページ27
「ふぅ…」
頂いたいい香りがする紅茶を入れて、
リビングで一息つく。
なんだろう、この香り。
淹れた時には気にならなかったのに、
口にしてから気になって
キッチンに向かって缶を手に取る。
「あぁ、サクラなのかぁ」
少し季節外れのその紅茶。
自分で買ったものではないので
置きっぱなしにしていたことを思い出させた。
それにしても、
良い天気だから洗濯をたくさんして、掃除をして。
夜ごはんの買い物ももうしてきたから、
午後からは私の時間。
そうはいっても、特にすることもないから
音楽かけながらこうやってぼーっとして時間を過ごす。
ふと目に入ったカタログに手を伸ばして、
パラパラとページをめくる。
「いつのだろ？」
このところ結婚ラッシュで参列することが多くて、
いつ、誰からの引き出物なのかも覚えきれない状況だ。
カタログに挟まっていたはがきに目を通す。
申込期限はまだまだ先で、
やはりいつ、誰から頂いたのかは覚えていない。
「まぁ、いいかな」
そう思いつつ、また最初のページから眺める。
欲しいものがあるわけではないし、
誰からか思い出せないものだから、
形に残るものではなくて消えモノにしよう。
そう思いながら眺めつつ、
JILLSTUARTのボディケアセットを選んで
はがきに書き込んだ。
買い物前に気付けば投函できたけれど、
明日でいいか。
そう思ってカタログは
雑誌を置いてあるところに積み重ねる。
資源の回収日は明後日だから、
その時に一緒に捨ててしまおう。
それに気が付いたから、
雑誌を紐で縛ったりしていると、
いつの間にか時間が過ぎていたようで、
高かった太陽が傾き始めていて、
慌てて洗濯物を取り込んだ。
ゆっくり畳んでいても、時間はまだたくさんある。
…専業主婦って…暇。
ワイシャツにアイロンをかけるのもうまくなった。
結婚した当初は何もできないただのお嬢様だったのに、
3年も経つと人って変われるって本当に思う。
ハンカチとかシーツとかそれ以外にも。
時間をかけてアイロンをあてる。
皴が無くなって平らになる瞬間が好き。
心の中のそういうのも
まっすぐになって伸ばされる感じがするから。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
