18-カタログギフト-(Side信五) ページ18
なぁ、A。
今、お前のためにこうやって上司ってことでええ話しとるやろ？
そのウエディングドレスの中はどうなっとるん？
俺と関係を絶って1年経つんやけど、
そろそろ疼いてきてるんちゃうん？
その疼き、この坊ちゃんで満足できてるんか？
そんな想いも込めて、
村「シアワセになりぃや」
満面の笑みでマイクを通してAに言う。
まだ仕事も辞めへんみたいやし、
お色直しいうヤツで、
俺が好きやって言った紫のカクテルドレスで現れるとか、
そろそろそういうことを求めとるってほんまに思うで？
引き出物を受け取って、
それでも披露宴が終わるまではええ上司を演じ続ける。
新郎のおやじさんも、
帰りに出迎えるように立っとるからフランクに話しかける。
村「おっちゃん、元気やったか？
まさかこんな場で会うことになるとは思ってへんかったなぁ。
え？あ、そうやねん。俺の部下やねん。
ほんまに驚くやろ？
な。仕事もできるし、ほんまにええやつやし、
おっちゃんの息子やから安心して任せられるわ」
冗談交じりのこの言葉。
Aの頬がぴくっと動いたのがわかる。
なんやねん。
ま、満たされてへんってことやって直感的に受け取ったで？
さてと。
これ、明日から…ちゃうな。
なんかどっかに行くって言うとったから、
来週辺りに出勤した時にどうしたろうか。
頭の中で来週の予定を思い出しつつ、家路を急ぐ。
外回りのええところは時間をそこそこ自由に使えるところ。
ノルマも達成しとれば誰もなにも言わんし、
それに俺は自分で言うことやないけど、
上からの信頼も絶対やし。
その辺りAの分もうまいことやればなんとかなるな。
…人妻か…。
ええ…響きやな。
人のモノには興味ないんやけど、
完全に俺のおもちゃを取られたんやから、
その辺りの落とし前言うんか、
まだまだ楽しませてもらわんと、
俺の気が済まないんやわ。
家に着いて、
カタログギフトをパラパラと眺めても
特にほしいものがあるわけやない。
テーブルの上に投げ出すように置いておいて、
そのうちなんかに引き換えればええかと思いながら
シャワーを浴びて、
置かれた部屋着に着替えて眠りにつく。
19-晴れて夫婦に-(Side A)→←17-外回り中-(Side信五)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
