12-味見-(Side忠義) ページ12
常連のおっさんたちも
「たーくんやるなぁ」なんて声かけてくるし、
それだけでAさんが恥ずかしそうや。
大「もー、おっちゃん、邪魔せんといてー？」
なんて言うのに、
テンション上がったおっちゃんが
「たぁくん、若いけど、
本当に真面目で良い奴だから、俺のお墨付きだ」
ガハハっと笑ってAさんに話しかけとった。
俺一人やったら上手く行かへんかったかも知れへんな。
せやけど、この店は来てくれる人も、
置かれている全てのものも。
全部が俺の味方やし。
ここでやったら、何もかも上手く行く気がすんねん。
そんな浮かれた気持ちのまま、
夜になってカフェから
軽くアルコールも提供するバーの雰囲気に変わる店。
やけど、
今日突発的に20時には閉店にしたのは
Aさんが約束通りに店の扉を開けたから。
オモテのOpenの札をCloseにして、
外の灯だけを消して鍵をかける。
この空間には、俺とAさんの二人きり。
いくらヘタレと言われる俺でも、
このチャンスはものにせんとあかんってことはわかっとる。
せやから。
大「あんな、ほんまにありがとう。
その…俺、大倉って言うんやけど…」
クスッと笑ったAさん。
『だから、お店の看板がcafe Okuraなんだね』
と納得しながら微笑んでくれる。
大「おん、せやねん。
俺の前は親父がやっとって、
その時は喫茶 大倉やったから、
俺が継いで変えたん」
そこから今はこの店は俺の店とか、
自分のことを一気に話して、
そしてそれをずっと聞いとるAさんという状態になる。
ハッとして、
大「なんか、俺ばっかり話してごめん…」
気がついて謝るんやけど、
『ううん、楽しいからもっと聞きたいよ？』
なんて言われたら、浮かれるしかないやん？
それに、
大「ランチで出そうと思っとるのこれなんやけど…」
と話しながら仕上げたビーフシチュー。
『…美味しそう…』
ゴクリと喉が動いたのがわかって、
キラキラした瞳を俺とシチューに向けてくれる。
もうさ。
あかんわ。
これ、完全に俺、惚れたわ…。
『…食べていいの？』
大「どうぞ、召し上がれ」
小さく
『いただきます』
と手を合わせてから、
スプーンで掬って口に持って行く様子を眺める。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
