6-何事もなく-(SideA) ページ6
それでもシャンとしていないと負けてしまう気がして、
朝から熱めのシャワーを浴びて
いつもよりも濃い目にメイクをして気合をいれた。
『よしっ！』
何事もなかったような顔をして過ごすために。
鏡の中の自分にも気合をいれる。
いつもより早めに着く職場。
村「いつもより早いやん」
『…おはようございます』
何事もなかったような顔をして、
信五さんに挨拶する。
村「おはようさん。てか…」
余裕やなぁ。
って私にしか聞こえないくらいの小声で言うのはずるい。
『…』
村「ええなぁ、その感じ。
嫌いやないで？」
ニヤッとしたのはオトコの顔。
そんなところにドキッとしつつ、
それでもここは職場だし。
平静を装って、
何も変わらないフリをしてデスクに向かう。
仕事が始まってしまえば体を重ねたことが嘘のよう。
昨日までと変わらずに営業先に向かって、移動して。
帰ってきて見積もり作っては書類をまとめて、
確認してもらう。
朝にからかわれたけど、所詮私はただの遊び。
それだけの関係だから、
こっちから求めることはできないし、
なんだか飢えているように思われるのは恥ずかしい。
『村上さん、今平気ですか？
確認をお願いしたいのですが…』
出来上がった見積もりの確認。
隣のデスクに話しかけても良さげな雰囲気を探って声を掛ける。
村「おん？ええよ？どれ？」
『お願いします』
立ち上がって手渡しに行くのに、
村「椅子ごとこっちに…な？
あ、ほら、ここあれやで？」
言われたまま、指差しているところに視線を飛ばす。
『？』
村「ここ、よう見てみ？」
『え？どこですか？』
私の体が下がると、自然と顔の距離が近くなる。
村「来週、泊まりで出張あるから予定空けとき？」
『え？』
聞き返した時には、スッと距離が開いていて、
村「まぁ、これでええんちゃう？
ようできたやん」
と何事もなかったかのように振舞われる。
それにしても出張で予定を空けておけってどういうこと？
しかも泊まりって言った？
何が起こるのかよく分からずに過ごす一週間。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
