2-就活-(SideA) ページ2
アパレルを…
主に販売をしていたのに、営業職。
分野としては違えど働かないことには生きていけない。
なんでもすると意気込みつつ
面接した日に見つけた会社近くのカフェ。
忠義との出会いの場所。
別に私が一目惚れをしたわけではない。
ただこのカフェが気に入った。
『今面接した会社に受かったら、このカフェに通えるな』
なんてことを思いつつ、
カフェラテ片手に緊張した身体をほぐした。
昔ながらの椅子やテーブルが置いてあるのに
古臭さは感じない。
大きな窓から太陽光が入ってきて、
カウンターまで明るく照らしている。
その中を定位置のように陣取っているのが忠義で、
サイフォン眺めてたり洗い物したり。
たまにカウンターにいるお客さんと会話したりする声を聞きながら、
初めて来たこの店を後にした。
また来れるとしたら、仕事が決まった時。
そう思って家路を急ぐ。
就活中なのにカフェでお茶するとか
贅沢なことをしてしまったな…。
夜ご飯は…冷蔵庫にあるもので…
ううん、お茶漬けくらいかな。
そんなことを考えながら帰路につく。
それから数日。
『やっぱり、この間のところもダメだったかなぁ』
と思うのは、
今日までに連絡しますと言われたにも関わらず、
まだ連絡がないから。
『またどこか探さなきゃ』
そう思ってパソコンを立ち上げた時に鳴り響くスマホの音。
見慣れない番号。
ドキッとしながら、少し震える指で通話を押す。
『…はい。そうです。
…えっ！？あ、ありがとうございます！
はい、よろしくお願いします』
スマホを持ったまま姿勢を正してお辞儀してしまったのは、
電話は声だけじゃなくて気持ちも伝わってしまうから。
就活して不採用の連絡ばかり受けていたから、
ただただ有難いと思うばかり。
それに。
働き出したら、あのカフェに行けるかな。
毎日は行けないけれど、
たまに行くくらいは出来そうだなって思ったから。
そう思い出すくらい、
あの雰囲気には惹かれるものがあった。
あの日は若い店員さんがいるだけだったけれど、
きっとオーナーは白髪混じりのダンディなおじ様かな？
ううん、それとも、
お喋り好きなお洒落なおばあちゃん？
あ、そんな2人が夫婦で経営とか？
そんなことを考えて浮かれるくらい、
仕事先が決まって嬉しかったことを隠せずにいた。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
