32杯目。 ページ34
【10分くらい遅れそうやから、外で待っとって】
全く、2人同時で遅れるってなんやの?
早めについて、
カフェでコーヒー飲んどったから、
時間に合わせて飲み干したんやけど、
まだ少しここにおるか。
ぼーっとしながら外を眺めとると、
土曜日ということもあってか若いカップルやら、
大学生くらいのサークルなのかその待ち合わせや集団や。
中には仕事なのかスーツ姿のサラリーマンやったり、
ちょっとおしゃれしてる女の子やったり。
十人十色。
僕の目にうつったこの人たちは、
これから何するんやろ?
なんてことを考えながら、また外を眺める。
「…?」
どこかで見たことがあるような人が
目の前を通過しとって、誰やったっけ?と考える。
取引先の人の顔を思い浮かべるも、
基本的にスーツ同士で会っていると、
私服になった時にパッと顔が浮かんで来んくて
頭を抱えるんやけど、全然思い出されへん。
「まぁ、ええか…」
ちょうど時間になったから、
空になったマグカップを持って席を立つ。
待ち合わせ場所で見えた顔に
「村上くんが誘ってきたのに、遅れんでよ」
と、とりあえず小言を言う。
村「おー、そんな口叩けんのも今だけやで?」
大「やでー!」
2人で「「なー」」なんて顔見合わせて言うてるけど、
僕にはなんのことかさっぱり理解できませんよ?
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作者名:華絢 | 作成日時:2017年3月10日 18時