80 ｰrnｻｲﾄﾞｰ ページ32
その後その人は逮捕された。
母さんはなんでなんで、と涙を零した。
俺らはそれを見ていることしか出来なかったけど、1番辛いのが亮平なのはわかった。
警察署から解放された亮平を、優しく抱きしめると、すごい力で押し返されて俺は尻もちをついた。
まさかの反応に俺はショックを受けた。
俺も、なんでどうして、と亮平をじっと見つめた。
当の本人は俺から目を逸らして苦しそうに眉を顰める。
｢……ごめん｣
とひとこと言葉を零して、俺の方を向き直した。
｢大丈夫だよ｣
そう言ってニコッと笑う亮平に、俺はこれから絶対亮平を守るって決めたんだ。
無理して笑う亮平に、これからは無理してほしくなくて。
亮平はその日から近くにいるのはラウールしか受け付けなくなった。
絶対何もないと安心してるからか。
ならなんで俺はと悩んだりもしたけど、亮平と比べて少し大きい俺は当時の亮平にとって少し怖かったんだと後で聞いた。
俺が亮平に触れられるようになるまでは1年かかった。
中1の間は亮平は誰とも関わらず、痣が目立つような体育とかはずっと見学。
違うクラスだったから心配でしょうがなくて、一度亮平が近づいてきたクラスの子を押し飛ばしてしまった時は俺が謝った。
先生も事情を知ってたから許してくれた。
やがてそんな亮平に構うやつは誰もいなくなった。
本格的にクラスでひとりぼっちになって、きっと精神的にも辛かったと思う。
俺には計り知れないけど。
そんな生活が1年続いた頃、やっと俺だけは亮平の隣にいることが出来て、2年になって同じクラスになって本当に安心した。
痣もほとんど消えて体育にも参加出来るようになった。
少しずつ克服して、卒業する頃には人混みにも慣れ、後ろから話しかけられたりするのはまだビクついてたけど、ある程度の関わりは持てるようになっていた。
それが最近になって少し戻ってきてたから俺も不安だったんだ。
原因が照くんだったなんてね。
双子の勘って言うのかな、亮平の考えてる事はなんとなくわかってしまって。
それなら俺は邪魔できない。
今の亮平を元に戻せるのは照くんしかいない。
そう思ったんだ。
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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます！！こちらこそ読んでいただけて光栄です！更新遅めですが頑張ります...！ (2020年9月23日 1時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！！ (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年9月13日 14時
