79 ｰrnｻｲﾄﾞｰ ページ31
俺らは生まれた時から母子家庭だった。
父さんは、あまり知らない。
何回か会ったことあるらしいけど、小さすぎて覚えてないんだよね。
母子家庭で双子なんてやっぱり簡単なことじゃなくて、俺らに当たることはなかったみたいだけど、やっぱり母さんは荒れてたらしい。
それでも立派に育ててくれたんだからすごいと思う。
母さんにはほとんど途切れることなく彼氏がいたから、生活には困らず、俺らを可愛い可愛いと世話してくれる人も中にはいた。
ベネズエラ人の彼とは、結婚までする気でいたけど結局逃げられて、母さんのお腹に子供だけが残された。
それが、ラウール。
まだ2歳だった俺らだけど、初めてできた弟をすっごく可愛がってたのを覚えてる。
ゆりかごに乗せてゆらゆらしたり、たまに俺が激しく揺らしすぎて泣かせて亮平に怒られたり。
そんな風に、俺たちは支え合って生きてきた。
中学1年生の頃。
ついに母さんが結婚した。
相手の人は子供が3人もいることを理解してくれていて、俺ともよくサッカーをして遊んでくれた。
でも、いい記憶はそこまで。
俺は部活があったから亮平より遅く帰った。
部活が終わって帰路につくと、家の前でラウが蹲って、家の中から叫び声が聞こえてきて。
子供ながらに非常事態だと思った。
母さんはパートに行っていていなくて、推測するに家の中にいるのは亮平だけ。
だって、その人は仕事に行ったはずだった。
鍵を持っていなかったラウの代わりに俺が鍵を開けて中へ静かに入ると、裸の亮平に馬乗りになる人が見えて。
俺はバレないように固定電話を玄関まで持っていった。
110。
迷わずそれを押して、電話をかけたんだ。
でも到着するにはまだ時間がかかると言われ、俺はその人に噛みつかれる亮平を怖くて黙って見ていた。
何も出来ないことが悔しかった。
しばらくしてサイレンが近づいてきたら、最初は気のせいだと思っていたその人も焦りだして、服を着始め玄関に歩いてくる。
俺とラウを見つけて目を見開き、そのまま襲いかかられそうになって目を瞑ると同時に、後ろから警察の人が助けてくれた。
それを見て2人で亮平に駆け寄った。
所々に赤い痕が残り、血が出ているところもあってなんだか痛々しかった。
何より涙を零すその顔が苦しくて、抱き締めようとしたら触らないでと警察に止められた。
亮平の体に体液が付いてるかもしれないからって。
その時の俺に意味はわかっていなかった。
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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます！！こちらこそ読んでいただけて光栄です！更新遅めですが頑張ります...！ (2020年9月23日 1時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！！ (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年9月13日 14時
