検索窓
今日:10 hit、昨日:45 hit、合計:153,331 hit

73 ーiwサイドー ページ25

クラス全員集まって円陣を組めば、ステージでパフォーマンスが始まる。


俺はクラスの出し物くらいは楽々とこなした。

まぁ、それなりに歓声もいただいて(笑)


重要なのはトリに残された阿部達のダンス。


俺がステージから降りると横でスタンバイしていた女装メンバーたち。

阿部は少しそわそわした様子で下を向いていて、俺はそんな阿部の肩に手を置いた。


「自信持てよ。今の阿部めっちゃ可愛いんだから」


はっと顔を上げた阿部が俺に返事をする前に横にいた北斗が反応した。

見れば随分緊張してるみたいで。


「ねぇ俺は?誰か何か言ってよ……」

「おう、北斗もいつもより全然可愛いと思うよ」

「いつもよりってなんだよ!阿部ちゃんにはそんなこと言ってなかったじゃん!」


そう抗議する北斗は、まぁ確かに可愛いけど、と付け足して俯いた。


「嘘だよ、可愛いよ」


俺が頭にポンと手を置くと、反対側の袖から走ってきたらしい慎太郎が北斗に抱きついた。


「北ちゃーん!!!!」

「バカ、うるせぇよ」

「その呼び方しないでって言ってるじゃん……」


持ち前の大きな声で客席に聞こえそうなほど叫ぶ慎太郎を慌てて止めると、顔を紅く染めた北斗が慎太郎を殴っていた。

……お?


「照」


阿部が俺の腕を引いて自分の隣に立たせる。

その可愛い行動にさっきまで抱いていた疑問も吹き飛んで阿部に目を向けた。


「どした?」

「ううん、なんでも」


そう言ってそっぽを向くと、また緊張を思い出してきたのか、ふぅと息を吐いた。


ほんと可愛いよなぁ。

普段も可愛いけど一段と可愛い。


この姿で舞台に立って、北斗みたいにファンクラブが出来たりなんかしたら嫌だなぁ。


北斗はあのルックスだからいつからかファンクラブが出来ていて、たまに一緒に帰ろうと誘われているところを見る。

阿部もそんなことになっちゃったらもう遊べないかも。


付き合ってもないのに、自分だけのものにしたいなんてわがまますぎるだろうか。


俺はいつまで経っても目が合わない阿部の頭にポンと手を置いた。


「もうすぐ出番だよ、頑張って」

「……っ、うん」

74 ーabサイドー→←72 ーiwサイドー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (219 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
696人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます!!こちらこそ読んでいただけて光栄です!更新遅めですが頑張ります...! (2020年9月23日 1時) (レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです!これからも頑張ってくださいね!! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜井サラ | 作成日時:2020年9月13日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。