71 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ23
結局照は順番が来るまでに戻ってこなくて、ビビり倒している北斗と一緒にお化け屋敷を堪能した。
｢やっばすぎだろこれ！！｣
｢ジェシーうるさかったよ｣
｢北斗もめちゃめちゃビビってたじゃん！｣
｢――ごめんトイレ行ってた！｣
出口付近で話しているとやっと照が帰ってきて、申し訳なさそうに手を合わせる。
｢もう終わっちゃったよ！｣
｢もっかい行く？｣
とふざけてジェシーが並びなおそうとするのを照が止めて歩き出す。
｢いや、時間もったいないだろ。次行こ、次！｣
照の一言にみんなも歩き出して、文化祭のパンフレットを覗き込みながら色々な出し物を回った。
昼には教室に戻らないといけないから、特別メニューがある食堂が混む前に昼ご飯を済ませた。
｢はぁ……｣
教室に集まったはいいが今からメイクして服着替えて他の女装男子達と立ち位置など最終打ち合わせ。
時間がかかるからと、教室に着くとすぐに女子達に囲まれた。
かくいう照達も、それぞれのグループの衣装に着替えて少し練習をしていた。
とりあえず練習中は見られなくて助かった。
なんて、どうせ本番見られるんだけど……
長めにとお願いした衣装を身にまとい、だんだん気が重くなっていく。
｢阿部くん！これ終わったら一緒に写真撮ろ〜｣
メイクをしてくれている女子がニコニコしながら嬉しそうにそう言う。
俺の女装がそんなに面白いかよ……！泣
渋々頷いて指示通りに目を閉じる。
アイメイクが完成したらしく残すはリップだけ。
さすがに共同で使うものに口をつけるわけにはいかないので、手に取り自分で馴染ませる。
周りの女子が口をんまんまさせて真似しろと言うから同じように口を動かした。
あれ、これで終わり……？
髪の毛を前と同じようにアレンジしてもらって、俺のセットはやっと完成したみたいだ。
｢やばーい！可愛い！｣
｢ね、写真撮ろ〜！｣
きゃっきゃと騒ぐ女子に俺は恥ずかしくて若干泣きそうで、でも泣きそうなのも更に恥ずかしいから誤魔化すように向けられたカメラに笑顔でピースをする。
あぁ……見たくねぇ…………
女子が撮った写真を覗き込んで喋っている中、少し遠くで机がｶﾞﾁｬｯと音を鳴らしたのでそちらを向く。
｢ッ――――！｣
向けた視線の先で照と目が合って、ｸﾞｰｯと体温が上がるのを無意識にでも感じる。
待って、本当に恥ずかしい……っ！
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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます！！こちらこそ読んでいただけて光栄です！更新遅めですが頑張ります...！ (2020年9月23日 1時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！！ (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年9月13日 14時
