65 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ17
｢あ、よっしゃぁ！！｣
俺が目を見開く中、隣で照と慎太郎が声を上げる。
俺はグーを出し負けてしまった。
残りはジェシーと北斗と俺。
もう一度3人でジャンケンをする。
俺はパーで隣の北斗もパー。
ジェシーは……チョキ。
｢はい、北斗と阿部ちゃん女装決定〜！｣
慎太郎が心底楽しそうに叫ぶ。
ほんと、最悪だ。
慎太郎の大声にクラス中の注目の的だったが、一方の俺は悲しみに暮れながらその衣装について考えていた。
スカート？フリル？リボン？
はぁ、目眩がしそう。
｢阿部、どんまい｣
照も苦笑いで肩に手を置いてくる。
｢もぉ、笑わないでよ……？｣
それからというもの、毎放課後はほとんど、照や残りの男子によるかっこいいダンスとは反対に、可愛いアイドルの振り付けの練習が始まった。
照が覚えて教えてくれているけど、生憎ダンスはそれほど苦手でもないのでなんとなく出来てしまう。
そして1番嫌な衣装合わせ。
と、ここで大事なことに気がついた。
スカートを履いたら俺の脚の付け根にある痣がバレてしまうかもしれない。
もちろんスカートを捲り上げないと見えない位置にはあるわけだが、少し不安が残る。
｢ねぇ、これタイツ履いちゃダメ？｣
肩幅やらウエストやらを測ってくれている衣装係の女の子に顔を覗き込むようにそう言う。
｢あ、いいじゃんタイツ！絶対可愛いよ！ね！｣
周りの子も賛成の声を上げて一安心。
でも1人の子が言った。
｢あーでも、予算が余ったらかな｣
予算はクラスの人数×1000円までと決まっている。
それ以上は自腹。
自腹となれば、そんなものに費やすお金はうちにはない。
｢じ、じゃあ！スカートは、長めでお願いします……｣
｢うん、了解！1人1人衣装違うから阿部くんにはそういう衣装用意するね！｣
うちのクラスの女子が優しくて良かった……(泣)
とりあえず一安心して北斗を盗み見ると、同じく女子に囲まれそわそわしてる様子が見てわかった。
この状況、結構やばいよな(笑)
そう思いながら周りを見渡すと何故か思い詰めた様子の照と目が合った。
と思えば、すぐ下に視線を逸らしてしまった。
どうしたんだろう……
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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます！！こちらこそ読んでいただけて光栄です！更新遅めですが頑張ります...！ (2020年9月23日 1時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです！これからも頑張ってくださいね！！ (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年9月13日 14時
