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64 ーiwサイドー ページ16

その決意を胸に、夏休みは部活三昧の日々を走り抜いた。


そして始業式。

まだ暑さは変わらず、朝練終わりにクーラーの効いた教室に入ると一気に解放感が押し寄せる。

自分の席に向かいながら久しぶりに阿部やジェシー、北斗と会って挨拶を交わした。


夏休みが開けると、今度はいつの間にか文化祭が近づいてきていた。


実は夏休み中にも準備があったのだが、俺は忙しくて1日も行けていない。

それはずっとバイトをしていた阿部も同じらしい。


クラスの出し物は、夏休み前に決まったダンス。


「ジェシー、夏休み文化祭準備行った?」

「あー、1日だけ!」

「そっかそっか」

「もー、教えてもらう人もいなくて大変だったのになぁ〜んでダンス部の男子誰も来ないわけ??」


ジェシーが不満そうに慎太郎の肩に手を置く。

なんて言ってるけど、こいつモテるし、どうせ女子に教えてもらったりしてたんだろう。


「あー、あとそれと一つ報告」

「何?」

「ダンスのことなんだけど……俺たち女装、だから」

「……は!?」


ジェシーは何がおかしいのかホットドッグの好きそうな笑い声で楽しそうに腹を抱える。


「いやいや笑い事じゃねーって!」

「え、俺ら全員?」


慎太郎は笑いながらも不安そうに言う。

阿部も少々焦っているようで眉をひそめながら俺達の話を真剣に聞いている。


「いや、決められたメンバーだけ」


同じく文化祭準備に行っていた北斗が答える。


なんだ……

ほっと安心したはいいが、まだ不安は拭いきれない。


何しろ決め方はジャンケン。

某アイドルのコピーをするらしいので衣装はミニスカートにフリフリのリボンやらレース。


ぜっっったいに負けられない。


早速、その日のホームルームでじゃんけんが行われた。


「よし、みんな、いくよ」


ジェシーの合図でジャンケンが始まるのだが、男子全員それはそれは真剣だ。


「最初はグー……ジャーン!!」


ジェシーは両手をパーにして頭の上に。


おいおい、とみんな緊張感が一気に解けて爆笑しながらツッコミだす。


「――最初はグッ、ジャンケンほい!」


その隙をついて慎太郎がすぐにジャンケンを始めた。

みんな反射的に手を出したようだったが人数が多すぎるせいであいこ。


何人かで分かれて決めることにした。


俺らのいつものグループから2人、ということに。


お願いします!女装だけは!

と祈りながら、ジェシーの合図で俺は手を出した。

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桜井サラ(プロフ) - ふかやのねぎさん» ありがとうございます!!こちらこそ読んでいただけて光栄です!更新遅めですが頑張ります...! (2020年9月23日 1時) (レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ふかやのねぎ(プロフ) - いわあべの学園ものなんてなかなか無いので嬉しいです!これからも頑張ってくださいね!! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 55d9539a79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜井サラ | 作成日時:2020年9月13日 14時

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