7 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ7
もちろん、ちゃんと話すつもりだった。
でも1時間目の休み時間。
話しかけられる、と思ったら怖くなって慌てて教室を出てきてしまった。
原因はわかってる。
行くところもなく蓮の元へ向かう。
教室の外から声をかければこっちまで来てくれて教室のドアに腕をつく。
｢どしたの？｣
｢いや、別に用はないんだけど……｣
俺が視線を外すと、あ、と思いついたように蓮が声を出す。
｢あの子は話せたの？岩本照くん。今日話すって朝気合い入れてたじゃん｣
｢まだ話してない……なんかいざ話すってなったらちょっと怖くなっちゃって……｣
｢あぁ……大丈夫。何かあったら俺が行くよ？｣
事情を知っている蓮は俺の肩に手を置く。
それには体は反応しない。
安心しきっている相手だからだろうか。
｢うん……ありがと。またここ来てもいい？｣
｢いいけど……俺しか話す人いなくなんないように気をつけなね｣
いたずらっぽい笑顔で俺に笑いかける様子に少し緊張が解けて、うっせぇ、と肩を押す。
話しているうちに授業の1分前になっていた。
6組から3組までは遠いから、小走りで教室へ戻る。
また、あの子の近くに行かなきゃ。
少しだけ憂鬱になって気合いを入れ直す。
よし……
教室に入った瞬間に授業の開始を知らせるチャイムが鳴って、慌てて窓際1番前の席に着く。
でも結局その日は話せずに、休み時間はずっと蓮のところに入り浸る形になってしまった。
蓮も今から友達を作るってとこだろうに俺が邪魔しちゃいけないから明日は行かないことを決めた。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
