47 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ47
照に、映画に誘われた。
妙に真剣な面持ちで、少しドキッとしたのは秘密。
その場では大笑いして普通の振りして吹き飛ばしたその気持ち。
照は友達として誘ってくれたんだ。
わかっていても高まってしまうのは俺が悪いのかな。
でもどうしても、もしかしたらって勘違いしてしまうんだ。
放課後、予定を合わせてみたけど照の部活や俺のバイトも重なり、結局夏休みに行くことにした。
特に見たい映画があるわけでもないのに誘ってくれたのはやっぱり嬉しい。
見るのは夏休みに公開の映画に決まった。
それとほぼ同時。
2人でこそこそ話していたジェシーと慎太郎が、俺達の方を向き直し声をかけた。
｢ねぇ夏祭り行こうよ！｣
｢みんなで！｣
2人のワクワクしたような楽しそうな表情に俺達もつられて笑顔になる。
俺は照と顔を見合わせた。
目だけで会話をして、いいね、と返事をする。
もうみんな帰ってしまった教室内で予定を話していると、照と慎太郎を迎えにきた樹というダンス部の子。
｢ねぇ部活遅れるよ！早く！｣
｢ごめん、すぐ行く！｣
慎太郎が声をかけて2人は、また決めようとだけ言って出て行ってしまった。
その3人と入れ替わるように教室前に現れたのは蓮。
｢亮平、帰ろ｣
｢あ、蓮じゃん。お迎え？笑｣
ジェシーは蓮に手を振った。
｢え、ジェシーなんで知ってんの？｣
そう聞いたのは俺じゃなく北斗。
でもそれは俺の心の中の疑問そのものだった。
｢いやまぁ、サッカー部、だったんだし｣
そうだ。そういえば蓮はサッカー部……
……だった？
｢え、だったって……｣
俺が蓮の方を見ると居心地が悪そうに目をそらす。
｢球技大会の後、急に辞めちゃったじゃん？俺あれから蓮を連れ戻そうと必死なんだから〜｣
ジェシーは呆れたように蓮を見る。
｢え！？なんで？｣
だって、蓮はあんなにサッカーが大好きで、高校ではサッカー部に入るってずっと前から言っていたのに。
やっと入ることが出来たのに。
でもそういえば、俺と帰る時間一緒だったし、最近洗濯物に練習着もなかったっけ……
今頃思い出して、なんで気付かなかったんだと後悔。
｢まぁいいじゃん、帰ろ？｣
蓮はそう言って俺の腕を掴んで教室から引っ張り出した。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
