10 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ10
｢あの、昨日言ってた弟の蓮。｣
阿部が隣のやつの肩に手を置きそう言う。
｢えー、っと阿部蓮です。亮平から話はよく聞いてます(笑)まぁ仲良くしてやってください！｣
家で話してくれているのか、と俺は上機嫌。
そんな素振りひとつも見せなかった阿部が、実は意外と俺のことを気にしてくれていたのだろうか。
少し胸が苦しくなって、またすぐに元に戻る。
蓮というその阿部の双子と自己紹介し合っていると、阿部は何故か必死に蓮を追い出そうとする。
｢ほら、紹介終わりだよね？もう教室戻りなよ！｣
｢いや、亮平が連れてきたんでしょ？笑｣
やっぱ仲良いなぁ……
なんて2人のやり取りを見ていると、阿部は驚いた顔で蓮の口を押さえる。
でも蓮は無理矢理その手を離して俺にこう言った。
｢亮平ビビりだから後ろから急に話しかけたりしないであげて？あと急に触ったりするのも厳禁ね！｣
｢あーもー、余計なこと言わなくていいから！｣
その言葉を聞いて、全て辻褄があった。
俺は席が後ろだから話しかけるのはいつも後ろからだし、ペンを拾ってもらった時に無駄にビックリしていたのもそうだ。
｢なるほどね！了解！｣
俺は蓮の忠告に納得し、阿部に押され教室を出て行かされる蓮に手を振った。
ドアの前で少し話した後、阿部は席へ戻ってきた。
｢ごめんね、うるさかったでしょ……｣
｢いや、全然！いいやつじゃん｣
俺が褒めると変な顔で微笑むから、きっと嬉しいのだろうとその仲の良さに少し嫉妬した。
｢俺もなかなかいいやつだぞ？｣
ちょっと初めて話す割にはがっつきすぎかな、と心配したが、え？なんて言って爆笑しだすから一安心。
｢それ自分で言う？｣
｢いや、ほんとだって！｣
引き続き笑い続ける阿部に俺も思わず笑顔が零れ、こんな冗談言い合える関係になりたかったんだと再確認。
それから俺らは休み時間はずっと話すようになった。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
