24 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ24
照の手が俺へ伸びてきて、反射的にその手を振り払ってしまった。
たぶんものすごい力で。
もちろんそういうつもりがないのは頭ではわかっている。
でもやっぱり誰かが俺に触れるという行為に、体が拒否してしまう。
申し訳なく思いながらも、なんとなく気まずくて照を避けた。
向こうもそうみたいで余計に気まずい。
｢どうかした？｣
北斗は心配そうに俺を覗く。
俺、顔に出てたかな。
｢なんでもない｣
｢なぁになに〜！どうしたの！｣
ジェシーも体育の後というのもあってかテンション高く聞いてくる。
その言葉にも笑いながら首を振って否定する。
｢そういえば次漢字の小テストだよ？勉強した？｣
俺がその話題から逃げるようにそう言えば、ジェシーは大声を上げて教室へ走っていった。
その後ろ姿を余裕そうな北斗と見つめる。
｢で？本当は何があったの？｣
2人になった空間を利用して再度その質問をする。
でもやっぱりこのことだけはどうしても言えなくて黙りこくってしまう。
何も言わない俺に北斗は困ったように眉を下げてから俺の肩をポンポンと叩いた。
｢言えないなら無理に言わなくていいよ。でも溜め込みすぎるのはよくないからね。いつでも言って？｣
それだけ言って後は何も聞かないでくれた。
｢ごめん北斗……｣
ありがとう。
いつか話そうと思えたらその時はジェシーにも慎太郎にも照にも、みんなに話すから。
あの出来事が俺の中で過去のものと踏ん切りがつけられたなら。
心の準備が出来たなら。
その時まで待っていてほしい。
思いながら横目で北斗を見ると、もう困った顔は消えいつもの様子に戻っていた。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
