2 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ2
入学式前、HRのため一旦教室に集まっているのだ。
担任の先生はどんな人だろう。
何より俺がずっと話してた阿部亮平ってどんな子だろう。
そんな期待も含め、俺はずっとそわそわしていた。
HRが始まるギリギリ前、滑り込みで入ってきたその人に俺は目を奪われた。
ストレートの髪に少し眠そうな目。
一言で言えば可愛い。
でもズボンを履いてるということは男だろう。
短い間にそんな推測が出来るほど、俺には長い時間に感じた。
え、なんで……！？
その人はまっすぐ俺の方へ歩いてきた。
心臓がバクバクして俺は目が離せなかった。
ついに目の前まで来た、かと思えばクルッと前を向いて椅子に座る。
俺の前の席。
その背中は姿勢がいいけど大きくてやっぱり女子ではないと確信する。
心臓が鳴り止まない中、HRは始まってしまった。
もしかしてコイツが阿部亮平……？
席的にそうだよな。
担任がどういう人とか、全然頭に入ってこなくて目の前の彼をボーッと見つめながら、なんて話しかけようか考えていた。
ずっとLINEはしてたんだからそこから入ればいいものの、逆にLINEで話しすぎて今話すことは何もない気もした。
いつの間にかHRは終わっていて入学式へ。
もちろん出席番号が前後ってことは席も隣で。
俺はずっとそわそわしたままその日を過ごした。
書類や手紙なども全て配り終わり、もう下校の時間。
最後担任が挨拶をしHRが終わる。
どうしよう……まだ話せてない。
阿部は片付けを終えて席を立った。
俺も追いかけて席を立つ。
｢あ――｣
勇気を出して声をかけたがその声は届かず教室を出ていってしまった。
いや、まだ間に合う。
俺は急いでリュックサックを背負い走った。
教室を出て左右を見ると廊下の奥の方にその姿を見つける。
階段そっちじゃねぇよな。
他のクラスに用事でもあんのか。
近くまで行って声をかけようとすると、そのクラスから彼と同じく背の高い男子が出てきた。
そいつも美形だ。
並んで歩く姿にとても声をかけれる雰囲気ではなく、周りの女子の視線も集めている。
まぁ、明日もあるか。
俺は諦めて2人に背中を向けた。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
