おにぎり系男女が宮城行く話

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「高菜…」
「しゃけ」


「急すぎ(高菜)」という私に、棘くんは「だな(しゃけ)」と返した。

つい先程、担任から言われたことを思い出す。


『突然ですが、棘とAには宮城県の高校に通ってもらいます！3日後ね！』


どうも宮城の方で推定2級〜準1級級程度の呪霊が窓からの報告により発見されたらしい。それが、“私立青葉城西高校”にある呪物に関係してるらしく、その呪物回収とそれに関する呪霊討伐を命じられた。

この前宿儺回収に伏黒くんが行ってたように、学校とかそういう人目が避けられないような場所に関する任務は呪具とかを使わない人が派遣される。伏黒くんは影を使う召喚術だし、昼間に討伐しても、一般人の目にはつかない。

私や棘くんは“呪言”を使う“呪言師”だ。

まあ、手ぶらで呪霊を討伐できるし、私たちを派遣するのは間違ってはないだろうけど………



「大丈夫かな(こんぶ)」



私たちは普通に話すことが出来ない。
人をむやみに呪わないように、言葉を捨てないといけない。

どうにか人と会話をしようと、棘くんがこの“おにぎりの具”を使い始めて、私もそれを真似したわけだけど、これは高専だから理解が得られるのだ。

青葉城西高校に通うのなら、きっと私たちは会話が出来ない。おにぎりの具で喋って、引かれるのは避けたい。



「明太子」


棘くんの言葉に私は頷いた。それもそうだ。誰かがやらなきゃいけないことなのだから。まだ、被害の報告がないとはいえ、これから出ないとも限らない。

さっさと祓って、さっさと帰ってこよう。

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