No.359 ページ9
相澤Side
あんな夢を見るものだから、嫌な予感はしていた。けれど誰もこうなるとは思わない。
相澤｢クッソ...｣
無理矢理左足に体重を掛け屋上から飛び降りる。今ならまだ間に合うだろう。無理矢理曲げたせいで左足は変な方向に捻ってしまい感覚も無くなっているが、一人の命と天秤に掛けると断絶マシだ。
これぐらいの高さなら仕事で慣れている。急速落下していく身体に指示を出すのには時間がいる。そのうちにも力が入らない闇雲の身体は重力に従い下へ下へと落下していく。
薄れていた闇雲の顔が見えて来る。闇雲はとてもにこやかに笑っていて、目から大粒の涙を流していた。
すると闇雲はゆっくりと口を開く。
A『...反、転』
闇雲の呟きが聞こえた瞬間に、急に身体の向きが変わり仰向けになる。そして背中が何かに打ち付けられた。俺は自分の手元を見た。俺が乗っているのは見えない壁の様な物。小さい頃の闇雲と戦った時に使っていた透明な壁にそっくりだ。俺はゆっくりと記憶の中からこれの正体を探る。確かあの後に言ってたのは...
相澤｢空気の、壁...｣
そう呟いた直後、ゴッパァンッと大きな音が鳴り響き、びちびちと空気の壁に何かが当たり撥ねる音がした。
昔マイクとふざけて自 殺のことについて調べたことがある。その記事には｢ビルなどの7階以上に立ち、下がコンクリートであることを確かめ、そして人通りが少ないことを確認し、思いっ切り飛び降りてみよう！後は即死か、一時間半頃経った後に死ぬかだよ！｣と明るい文末で書かれていた。此処は人通りも少なく下もコンクリート。しかも闇雲は頭から落ちていき、連絡網の多い脳に直接睡眠薬を勢いの良い銃でぶち込んだ。睡眠薬には種類によっては麻酔の効果もあり、そして頭から落ちたのであれば死亡率は高くなる。なら闇雲の場合は...
―――即死
相澤｢っは...｣
息遣いが荒くなる。此処を降りるにはまず上半身を起こし立ち上がらないといけない。けれどそうすると必然的に闇雲の姿を見なきゃいけなくなる。今まで色々なモノを見て来たが、流石に自分が受け持ったクラスの生徒、しかも自分の養子の死体なんて見たくない。けれどそう迷っているうちにも闇雲の身体は弱っていく。個性の御蔭で軽くはなるだろうが麻酔も打っているとなると生存率が低くなる。
相澤｢早くしなきゃ...｣
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綾瀬凛利(プロフ) - りさん» もう一年が経っておりますがご返信を……シナリオ、そのときそのときで微妙に変えてるので嬉しいです!コメントありがとうございます! (1月10日 1時) (
レス) @page50 id: c6784028ea (このIDを非表示/違反報告)
り - シナリオ凄すぎて映画かと思いました。最高です (2023年1月12日 16時) (レス) @page50 id: 397d18e3a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - 猫築かなめさん» コメントありがとうございます。執筆途中、私も少々辛くなる所がありましたが、それでも楽しい作品を書けて満足していたので、それがかなめ様にも伝わっている様でとても嬉しく思います。これからも宜しくお願いします！ (2021年1月15日 20時) (レス) id: e6485dab0e (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 見ていただけないかもしれませんがコメントします、あまり感情が出ない私が見てきたヒロアカの作品の中で一番泣いたり笑ったりできた作品でした、面白く見させてもらいました、これからも他の作品なども頑張って下さい (2021年1月15日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - コメント有難う御座います。私的に最後は結構ベタな展開になってしまったかと思っておりましたが、ご満足頂けたのなら幸いです。月闇の使者様、これからも一緒に執筆活動頑張って行きましょう！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年3月31日 19時
