No.397 ページ47
ASide
憂｢...わかった｣
耳を貫くその声にホッと安堵する。正直に言うともう誰からも絡まれたくない、一人が良いからだ。
憂｢けど、私の意見も聞いてから考えて欲しい｣
立ち上がり俺を睨みつける様に見る母さんを見つめる。最期に意見ぐらい聞くのも、まぁ良いものだろう。
そう思った矢先、身体が母さんの方に引き込まれる。身体が自分以外の温もりを感じ俺は軽い拒絶反応で震え上がった。すると母さんは耳元で囁く様に言う。
憂｢ありがとう｣
ゆっくりと耳元で聞こえたその声に目を見開く。一体、何のことを言っているのだろうか。
憂｢Aは覚えていないと思う。けどね、私は未だに覚えてるの。私が死に際にいる時、｢母さん！｣って大声で呼んで駆け付けてくれたこと。最後にあんな突き放し方をしても、まだ自分のことをお母さんだと思ってくれていたこと。Aはただそれに反応して来てくれただけだったんだろうけど、とっても嬉しかった」
全く意味が分からなかった。けれど俺は黙り込んで母さんの言葉に耳を貸す。
憂｢最初は貴方のことが大嫌いだったの。けれど大きくなって私の名前を呼んでくれた時、とっても嬉しかった。命を通して貴方をこの世の辛さ(困難)から守り切ろうと思った。けどそんなに現実は甘くなくて、思い通りには行かなかった。けれど私は愛を教えてくれた貴方を称えたい。お礼を言いたい。だから、私は貴方に生きて欲しい。別に、貴方の努力を崩そうとなんてしてない。ただ、素直に、心から笑って幸せに過ごして欲しい｣
ギュッと抱きしめる力が強まる。母さんは気が抜けゆらりと揺れた俺の頭を支える様に撫で、俺の首筋に顔を埋めた。
憂｢自分ではまだ自覚出来ていないかもしれないけど、Aは沢山の人を救っている。入試の時に助けた緑谷くんに麗日ちゃん、初日で仲良くなった飯田くんと上鳴くん、USJでの奇襲で助けた相澤さん、単独で危険に晒されたクラスの皆、期末テストで頼った八百万ちゃん、林間合宿で助けた光汰くん。もう、それらしいことは沢山してる。だから、私は何度だって言う｣
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綾瀬凛利(プロフ) - りさん» もう一年が経っておりますがご返信を……シナリオ、そのときそのときで微妙に変えてるので嬉しいです!コメントありがとうございます! (1月10日 1時) (
レス) @page50 id: c6784028ea (このIDを非表示/違反報告)
り - シナリオ凄すぎて映画かと思いました。最高です (2023年1月12日 16時) (レス) @page50 id: 397d18e3a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - 猫築かなめさん» コメントありがとうございます。執筆途中、私も少々辛くなる所がありましたが、それでも楽しい作品を書けて満足していたので、それがかなめ様にも伝わっている様でとても嬉しく思います。これからも宜しくお願いします！ (2021年1月15日 20時) (レス) id: e6485dab0e (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 見ていただけないかもしれませんがコメントします、あまり感情が出ない私が見てきたヒロアカの作品の中で一番泣いたり笑ったりできた作品でした、面白く見させてもらいました、これからも他の作品なども頑張って下さい (2021年1月15日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - コメント有難う御座います。私的に最後は結構ベタな展開になってしまったかと思っておりましたが、ご満足頂けたのなら幸いです。月闇の使者様、これからも一緒に執筆活動頑張って行きましょう！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年3月31日 19時
