No.375 ページ25
相澤Side
？｢調子乗ってんじゃねえよ｣
ゴッという鈍い音と、耳を切り裂く様な罵声が聞こえて来る。俺は教室の真ん中に立っていた。カレンダーの日付はあれからもう2週間も経っている。俺は声の聞こえる後ろを見た。そこには倒れ込んでいる闇雲と、この前机の周りに居た生徒達が立っていた。
？｢いっつもへらへら笑いながらあのクソ担任に媚び売りやがって。キモいんだよ｣
ぐりぐりと闇雲の頭を踏み付けるソイツに思わず手を伸ばす。けれどその手はソイツの肩をすり抜けていくだけだった。
A『...やっぱりそう？俺、気持ち悪い？』
？｢あぁ。もう十分ってくらいにな。だからその面もう見せんなよ｣
笑いながら言う生徒に闇雲は低い声で問う。すると元気良く答えたソイツの顔を見て言った。
A『やっぱり、気持ち悪いよなぁ』
闇雲はゆらりと立ち上がり勢い良く生徒の肩を掴む。すると筆箱から取り出したカッターをキチキチと鳴らした。
A『生まれた頃からずぅっとこの顔なの。僕も僕じゃなくなっちゃいそうで、自分の一人称が俺なのか僕なのかもよく分からなくなるしさぁ。もううんざりだよね』
ドシュッと勢い良く闇雲の顔にカッターが刺さる。生徒は小さな悲鳴を上げると同時に闇雲を押し倒し、ドタバタと教室を出て行った。今は放課後。もうこの階には誰もいないだろう。
A『馬鹿だなぁ。こんな傷、直ぐ治るのに』
シュルシュルと音を発てて治っていく闇雲の顔。その顔はさっきと変わらず笑顔のままだ。闇雲はぺたりと地面に尻餅をつき自分のカッターを筆箱に戻した。そして自分のハンカチで床に垂れた血を拭く。一通り拭き終わった後、闇雲はハンカチを握りしめて弱々しい声で言った。
A『本当、うんざりだよ』
地面に、一粒の涙が零れた
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綾瀬凛利(プロフ) - りさん» もう一年が経っておりますがご返信を……シナリオ、そのときそのときで微妙に変えてるので嬉しいです!コメントありがとうございます! (1月10日 1時) (
レス) @page50 id: c6784028ea (このIDを非表示/違反報告)
り - シナリオ凄すぎて映画かと思いました。最高です (2023年1月12日 16時) (レス) @page50 id: 397d18e3a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - 猫築かなめさん» コメントありがとうございます。執筆途中、私も少々辛くなる所がありましたが、それでも楽しい作品を書けて満足していたので、それがかなめ様にも伝わっている様でとても嬉しく思います。これからも宜しくお願いします！ (2021年1月15日 20時) (レス) id: e6485dab0e (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 見ていただけないかもしれませんがコメントします、あまり感情が出ない私が見てきたヒロアカの作品の中で一番泣いたり笑ったりできた作品でした、面白く見させてもらいました、これからも他の作品なども頑張って下さい (2021年1月15日 20時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - コメント有難う御座います。私的に最後は結構ベタな展開になってしまったかと思っておりましたが、ご満足頂けたのなら幸いです。月闇の使者様、これからも一緒に執筆活動頑張って行きましょう！ (2020年10月30日 17時) (レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年3月31日 19時
