No.348 ページ48
No side
コイツは一体何を言っているのだろうか。
相澤はそう思った。するとそれを見兼ねた闇雲が地面に寝っ転がり両腕で顔を覆い篭った声で話し出す。
A『ヒーローを目指す意味が、分からなくなったんです。最初は父さんから逃げるつもりで入ったのに、どんどん周りを俺の不幸に巻き込んでる。それなのに皆は優しく接してくれるじゃないですか。けど、梅雨ちゃんや緑谷クンが言ってくれた言葉も、相澤先生が言ってくれた言葉も、俺はその意味もすらもわからない』
相澤｢なら尚更―――｣
A『もう何も考えたく無いんですよ。｢しょうがない｣｢しょうがない｣で済ましておいて最後はこんなになるなんて相当な迷惑掛けてるって分かってるんですけどね。いっぱい、色んな我が儘に付き合って貰って、悲劇のヒロインなんか演じて、本当は俺よりももっと早く救わなきゃいけない人もいる筈なのに...ごめんなさい。本当に、ごめんなさい』
謝り続ける闇雲に手を伸ばす相澤。けれど闇雲は起き上がって苦笑しながら相澤の頭に再度冠を乗せた。
A『これは、今までの御礼です。プロヒーロー達にも、｢ありがとうございました｣と伝えといて下さい。そして、｢次会うときは敵同士だ｣...とも』
相澤｢それって―――｣
A『あと』
相澤の言葉を遮り闇雲が言う。相澤は黙り込んだ。
A『背中の火傷、見たんですよね。あれ見て、どう思いましたか？』
相澤｢どうって...そんなこと言われてもなあ...｣
A『...｢気持ち悪い｣って、思いましたか？』
目を伏せて問う闇雲の声は震えている。相澤は直ぐに抗議した。
相澤｢...そんなこと思う訳無いじゃないか。自分の生徒であり、養子である子に｣
A『じゃあ...赤の他人だった時は？』
相澤｢！...っは...｣
闇雲の言葉に相澤は黙り込んだ。そして自分が一瞬 じゃあ...赤の他人だった時は？ だけ考えてしまったことに驚く。
"赤の他人だったら気持ち悪いと思っていたかもしれない。表面だけ良いことして、最後には突き放していたかもしれない"
A『なんて。ただ聞いただけですよ！根に持たないでください！...けど、本当にそう思わないなら、相澤先生は優しい人ですね』
闇雲はするりと細い腕を相澤の身体に巻き付け思いっ切り抱きしめた。そして闇雲は抱きしめたまま相澤の手を握る。
A『絶対、覚えていて下さいね。俺のこと、そして、この場所のこと。もう、この世では相澤先生しか知らない筈ですから。忘れたら、許さないですから』
闇雲はトンッと、相澤の肩を押した
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綾瀬凛利(プロフ) - すゆさん» うわぁ！ありがとうございます！そう言って貰えるととても嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2020年3月27日 8時) (
レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
すゆ(プロフ) - 内容も良く、状況整理もしやすく、最高です (2020年3月27日 0時) (レス) id: 132be3fca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年3月25日 17時
