No.274 ページ24
相澤Side
緑谷に渡された絵日記を見て、机の上に置かれた日記帳に手を掛ける。ページを開くと、さっきとは打って変わって綺麗な字で、ページいっぱいに内容が書かれていた。書いた年を見た限りは、これは闇雲が小学校高学年・中学生ぐらいのものだろう。
〔ちょっとだけ字が荒れてる...まぁ、鎖で手を繋がれてるからだよね。誰も見てくれやしないだろうけど、書き記していこうと思います。今日は特に何も無く、ずっと、この部屋のベッドの上で景色を見ていました。手と足にきつく縛られ肉に食い込んだ鎖がキツイ。けど来年からは学校に行ける。それは変わり無いから我慢しようと思います。そろそろ足の感覚が無くなって来ました。今日は、これで終わりにします〕
俺はパタリとノートを閉じ緑谷に渡した。切島や轟達も他のノートを覗き込む。
轟｢緑谷が読んでた闇雲が小さい頃の絵日記くらいしか父親のことが書かれてない...｣
相澤｢...轟。これは書き主が途中で変わってる。俺がさっきみたノートもそうだった｣
切島｢書き主が変わってる！？それどういうことっすか！！？｣
緑谷｢そのままだと思う。例えば、最初の1ページは闇雲くんが書いたとして、その他の埋められたページは全部闇雲くん以外が書いたとか...。そこから考えると、闇雲くんは中学生になるまで戸籍がなく、四六時中この部屋に閉じ込められていた。この部屋を知っているのは、相澤先生、僕、轟くん、切島くんの、此処にいる四人と闇雲くんのお父さん、闇雲勝。で、この頃僕と闇雲くんは出会ってないから、このクラスの中で知っている人はいなくなる。だから、最後に残った...｣
切島｢闇雲、勝...！？｣
相澤｢そういうことになるな｣
ぱたりと切れる闇雲の字を最後まで見て、次のページに目を向けた。ところが次のページも、その次のページも内容は明るいものばかりだった。そこで俺は良く目を懲らし字の濃さを見極めてみた。すると、最初のページ以外闇雲以外の誰かが書いているのがわかった。やっぱり伊達に教師はやっていない。すると、14ページ目、そのページに書いた字が少しだけぼやけていた。まだ少し跡が残っていて透明ということは、涙が唾液ってとこだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綾瀬凛利(プロフ) - 柚夜-YUYA-さん» ありがとうございます！そんな風に言ってくれるなんて本当に嬉しいです！これからも【ヒロアカ】 E N D 【男主】を宜しくお願いします！ (2020年3月25日 22時) (
レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
柚夜-YUYA- - おおお…！凄すぎる！この話を創る想像力と語彙力が羨ましい…。本当に凄いです！ (2020年3月25日 21時) (レス) id: 1b72090556 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - 魚さん» ありがとうございます！もうそこまで言われると嬉しすぎてなんて返して良いのかわかりません() コロナで学校休みになって暇ですよね。わかります。これからも最高なお話を書ける様に頑張ります！宜しくお願いします！ (2020年3月23日 6時) (レス) id: 25de9b7c1b (このIDを非表示/違反報告)
魚 - いや、いい話すぎるんだが。本当に毎日毎日更新が楽しみで仕方ないです。ほんとうに面白い作品だと思います、自分コロナでクソ暇してる中こんな良い作品に出会えて光栄です。完結まで見届けたいです！これからも頑張って下さい！主さんの作るお話どれも最高です！ (2020年3月23日 0時) (レス) id: 4c3a8961ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年3月19日 21時
