【ヒロアカ】嬲り殺し【男主】Ⅱ (ページ3)

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No.53　VSステインページ3

ASide

ペタリと職員室のドアに張り付き、息を殺す。俺は聞こえて来た相澤先生の声に溜息をついて両手で顔を覆った。そしてズリズリと自然と体が下がり落ち、ぺたんっと尻餅をつく。

ふて腐れ出て行く振りをし、そのまま此処に隠れオールマイトと話している時から聞いていたが、まさか自分が此処まで気にかけて貰えているとは思っていなかった。幼稚園でも、小学校でも中学校でも家でも、老若男女上司関係問わず邪魔者扱いをされていたから。

込み上げて来る嬉しさに思わず笑みが零れる。いけない。オールマイトにもこの時の俺を見られて笑われたのだ。そして優しい声で｢相澤くんにバレない様にね｣...と。まぁこの調子ならバレそうにもないが。

ミッドナイト｢あら、なんだか嬉しそうね｣

そう言いながら近くを通って来たミッドナイト先生が駆け寄って来る。俺はパッと視線を逸らした。

A『いや、特に何ともないです』

ミッドナイト｢嘘。めちゃくちゃ嬉しそうな顔してた｣

そう言いながら俺の隣に腰を下ろすミッドナイト先生。ちょっとだけ横に寄ると、ミッドナイト先生も横に寄って来る。そして｢話題は変わるけど・・・｣とミッドナイト先生は話を持ち出す。

ミッドナイト｢貴方の弟の岬くんって、どんな子だったの？｣

そう問うミッドナイト先生に俺は静かに首を傾げた。何と言っても、あの頃岬ちゃんはまだ2歳で性格も"個性"も知らないのだ。するとそれを察したかの様にミッドナイト先生は｢あ、見た目でも良いよ｣と言う。けれど俺はその問いにも首を傾げた。

A『...俺と全く同じ顔でした。もう何処もかしこもも怖いぐらい似てました』

ミッドナイト｢そりゃあ家族で兄弟だからね｣

そう言いながらもっととでも言う様に視線を送って来るミッドナイト先生。俺は溜息をつきながら前髪を掻き上げた。そして俯きぐっと唇を噛んで呟く。

A『...他は、思い出したくない』