私達は双子で私は苦労人。【すとぷり】

200パーセント中の160パーセント。 ページ21

貴方side

数日後_____。

A今夜、駅近くの公園に来てください。
話したいことがあります。
突然ごめんなさい。

村山分かった

ﾌﾞﾁｯ

充電器をスマホから勢いよく抜く。
早朝、村山へと連絡を入れた。

ｺﾝｺﾝ ｷﾞｨ

「A〜、雫ちゃんが朝ごはん作った…」

莉犬さんがノックをしてからドアを開ける。
そして私の顔を見た瞬間、驚いたように目を丸くする。

『私の顔に何かついてますか』

「いや、別に、そうじゃないんだけど…」

鳥が外で鳴いている。

「マスク、外したんだね」

『ななもりさんに、言われましたから。
少しは自分を変えてみようとした結果です』

莉犬さんと共に、リビングへと向かう。

「俺もイメチェンしようかな」

『髪を黒に染めてみるとか』

「それはもう俺じゃない！だからダメ！！」

ぷくぅと、頬を膨らます。
何だか、弟ができたみたいだ。

『んじゃぁ、髭つけてみるとか』

「ダメ！それもダメ！！」

『そんなの、なんもできないじゃないですか』

「う〜ん…」

顎に手を当て、考えるふりをする莉犬さん。

「…Aって、もっと冗談が通じない人だと思ってた」

『率直ですね』

「だけど、なんか最近は明るくなったよね。
なんかあった？」

なんか、なんか、あった…かな。

『雫のおかげですかね』

「雫ちゃん？」

『はい』

「そっか」

『そうです』

リビングに近づくと大きな声が聞こえてきた。

「ちょっ！さとみくん、量おかしい！！」

「俺にとっては普通ですぅ〜」

「ジェルくん、髪跳ねてる」

「えっ！？」

「ななもりさーん、この牛乳腐ってないですか？」

それが面白おかしくて、2人で笑ってしまった。

「今、Aの好感度が上がった」

『何パーセントですか？』

「60パーセント」

それじゃぁ、元は40パーセント以下だったってことか。

「あっ、でも！100パーセント中じゃないから！」

はて？

「元は100パーセントあってそれ+60パーセントだから！160パーセントだから！！」

『200パーセント中の？』

「そう」

『それじゃぁ、あとの40パーセント埋めれるように頑張ります』

「期待してるよ！」

『はい』

そんな会話をしていたら、リビングに着いた。
ドアノブを捻り足を踏み入れる。

「あっ、やっと来た！」

エプロン姿の雫がなんか、腐ってそうな牛乳を、コップに注いでいた。

『待ってそれ、大じよ…』

「まっじぃぃいいいい！！」

一足遅く、ころんさんの叫び声が響いた。

餃子に醤油をかける時、飛び散って白いTシャツに付いた時の絶望感半端ないって。→←謝罪は心を込めて自分らしく。

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