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「んだよそれ、そんなの上司のエゴじゃねぇかよ。」
「でも、ずっと側に、置いて、くれて、私を、殺しの道に行かせない様にしてくれたのは森先生だった………私は、期待を裏切った…」
「でもお前が勤めてるのはポートマフィアだろうがよ。」
「私は、私は………殺しを楽しん、だのよ。」
目の前で好きな女が泣いている。辛い訓練でも、拷問でも、友を失った時も弱音など一切吐かなかったゼロは、子供の様に泣きじゃくっていた。
今日の朝、ゼロは手ぶらで俺の店を訪ねて来た。第一声は、「飲みたい」だった。前に訪ねて来た時とは違い、ギラギラと鋭い目をしており、訳を聞くと「死にたい」と一言だけ言葉を放ったのち手首と首をブチブチと引っ掻いて切り始めた。流石にまずいと思った俺は止めに入ったが、馬鹿力の前には儚くも吹っ飛ばされ、最終手段としてどこぞの名探偵の様に麻酔銃でゼロを眠らせた。
それで、今、落ち着いたゼロを問いただすと、敵組織の人を虐殺してしまい、私情で首領に追い出されたという事だった。
首領がどんな奴か俺は見たことがないが、ゼロは今まで十分すぎるほど尽くして来たはずだ。人を殺さないことが命をかけて守る約束だったとして、それをゼロが破ったのには何か理由があるのではないか、ゼロ自身、外傷は無くとも、心理的にダメージを与えられた結果が殺しだったのではないか。
どうして首領はゼロと話し合う事をしなかったのか。
考えただけでも沸々と怒りが湧いてくる。敵組織だ。味方じゃない。ならば殺したって良いじゃないか。
ゼロ曰く、首領は常に最適解を求める合理主義者だという。ならばなぜ、支出を出さず実力で敵を皆殺しにしたゼロが勘当され無ければならないのだ。
ゼロには彼の元にしか帰る場所が無いというのに。
「ナイン……私死にたい。死にたいけど1人で死にたくない………」
「なら死ぬなよ。」
「嫌。誰か心中してくれる人いない?何でもいい、体目当てでも良いから誰か一緒に死んでくれる人探して………」
体目当てでもいい、その言葉に少し嫌な予感がした。
「お前、援助交際とかしてないよな。」
「……………した。でもちゃんと避妊はした。」
「クソ野郎。」
「妊娠したら死ねばいい。逆に、妊娠すれば1人じゃないかも知れない。」
「アホだ。お前………どんなことか分かってんのかよ……いくらで売ったんだよ。」
「タダ。」
「もっとアホだった……おい、援交なんてな、ただでさえ割りに合わないんだよ、男ばっかにいい汁吸わせやがって、クソが。」
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だるま - 坂竹会長さん» 毎回ありがとうございます!ストーカーだなんて、全然気にしてませんし、むしろ助かっています。本当にありがとうございます、紙、があっています。お手数お掛けしました。 (2019年5月8日 20時) (レス) id: 64290f9481 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 14.ページ31、髪になっていますが、紙ではないのでしょうか?紙を破ろうとしているシーンです。後、なんか…そろそろしつこすぎなストーカー感が滲みでてますがすみません(笑)ちょうど2度見してて気づきました。 失礼しました・д#;; (2019年5月5日 15時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒だるま - 坂竹会長さん» ごめんなさい分かりません…ネットに疎いもので…こちらでも努力します。コメント蘭ですので、私への返信は結構です。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: 82922559a0 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 外部コンテンツを表示というところでしょうか………??すみません!!本当にポンコツで……。機種の問題もあるのでしょうか…??((今3DSでコメうっているのですが…(((殴蹴すみません……!みれなかったらしょうがないので、、、すみません!! (2019年1月9日 6時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒だるま - 坂竹会長さん» 表示というところを押すと見れます。説明不足ですみません (2019年1月9日 1時) (レス) id: 2fc730875e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒だるま | 作成日時:2018年11月2日 12時