カシスオレンジ (ページ15)

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『…すげぇ嬉しかった。

そんでいいとこまでいったのに

お前は寝ちゃうし』

それから拗ねたように膝を抱えて

『いくら好きでも

寝てるのを無理やりはヤりたくないから…』

拓弥くんはスッと首をすくめた。

『…俺もお前に聞きたい。

好きだって言ったのは、酔った勢い？』

「違う」

『え？』

「違うよ。

もうファミレスくらいから好きになってた」

えへへと笑うと

拓弥くんがすくめていた首を伸ばした。

「出会ったばっかりの男の家に

好きでもなければ行かないでしょ。

さすがに私も大人だからね。

まあ、酔っちゃったのは申し訳ないけど…」

照れながらそう言えば

『…じゃあ俺と付き合ってくれる？』

「…うん」

『ほんとに…？』

「うん。…よろしくね」

『はぁー………』

長いため息を漏らしたあと

安心した表情をする拓弥くん。

そして今までで最高の笑顔を私に向けた。

『…なんか、ヤバイね』

「何が？」

『好きな人に好かれるとか幸せ過ぎかよ、俺』

「あはは。拓弥くん今すごく嬉しそうな顔してる」

『やっぱAは特別だよ。最初から特別だった』

拓弥くんがギュッと私を抱きしめる。

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