【刀剣乱舞】個性的な弟【短編集】

頼りがいのあった弟 ページ10

薬研side




『皆が私の事を軽蔑するの。だから、もう家出する』



　そう言って家から出て行った姉。


　必死に引き止めたけど、まだ小さい俺には何も出来なかった。


　でも、A姉は少しの希望を残して行った。



『…貴方が両親より凄い人になったら、また一緒に遊ぼう？』



　それから、遊ぶ時間も無い位に勉強した。


　俺は親に認められたい訳でも、世間に知られたい訳でもない。ただ、目立てばA姉が見付けてくれると思った。




『……お母さん達は？』


「俺っちも家出した」


『…ﾌﾌｯ……悪ガキ同士とは、親の顔が見てみたい位ねぇ』



　どうやら、努力は実を結ぶ所か、花まで付けて来るらしい。親には産んでくれたこと以外に感謝していない。


　「天才」とか「完璧」とか言われているが、A姉が認めなければそれは「天才」でも「完璧」でも無い。




「一つ我儘言って良いか？



　俺っちは家出して来た、それに自分で言うのもアレだが、ニュースに取り上げられる位に有名だ。そんな奴がA姉と一緒に暮らしていたら、…」



『私が嫉妬と好奇の視線に突き殺される』


「自分の事は、自分で何とかする。でも、A姉は見付かったら終わりだ。



　…だから、外に出るな」


『…養ってくれるって事で良い？』


「ああ、A姉の欲しい物は何でも上げる」



　ほらな、俺は天才なんかじゃない。雑な誘導をする馬鹿だ。


　A姉が傷付くのは見たくない。でも誰かに見られるのも耐えられない。



『ふーん…なら良いよ』


「…契約成立？だな！」



　これは、馬鹿な俺なりの軟禁方法＿＿＿＿＿。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


奈々世 様、最初に言っておきます。


マジでスイマセンッしたァァァァァ！！！orz

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