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肆拾漆話 ページ10








「烏間さん、案の定ダメです。
政府としてあのホテルに宿泊社を問い合わせても"プライバシー"を繰り返すばかりで…」

「…………やはりか」




やはり、って……あぁ、そういえばそうだね。

烏間せんせいが言ったその話にはどこか既視感、というか聞いたことがあった。
首領に最適解を用意された時、小耳に挟んだ話。




「どーすんスか!?このままじゃいっぱい死んじまう!!
こっ…殺される為にこの島に来たんじゃねーよ!!」




そこで嫌という程に気付かされた。やっぱり世界が違うんだって。

私は殺されるというより殺し合いの準備は日常的に出来ていて何人もの人間を手に掛けたってそれは変わらない。
でも皆は違う、殺す為だけの暗殺者。殺される覚悟なんてもちろん持ってない、暗殺だけなら圧倒的強者として育てられたんだもん。せんせいを暗殺しようにも生徒に危害を加えることは許されないって名目でそれに守られてきた。


……途端に嫌気さしちゃうよ。




「要求なんざ全シカトだ!!今すぐ全員都会の病院に運んで、」

「…賛成しないな、もし本当に人工的に作っ未知のウイルスなら対応出来る抗ウイルス薬はどんな代病院にも置いていない」




少ししたからガシャ、と聞こえて見てみると大量の氷。




「対症療法で応急処置はしとくから急いで取引に行った方が良い」




脳にダメージが極力いかないように、ね。さすが竹林くん、完璧な応急処置。




「良い方法がありますよ。
病院に行って逃げるより大人しく従うよりは」

「殺せんせー、律ちゃんに頼んだ下調べも終わったみたいだ」

「丁度良いタイミングですね。
元気な人は来てください、汚れてもいい恰好でね」




せんせいと太宰さんの会話で何となく検討が着いた。
まぁ、それが1番良い解答なのかもね。だって渡しに行った2人が人質に取られて薬も渡されずに逃げられるのが最悪なケース。
1時間、ずっと考え込むなら行動に移した方が良い。

それから数分だけ準備の時間が与えられた。




「もしもし、私だよ。
最上階ってチェックできるかな?…あ、できたらでいいんだけどね。是非お願いしたい、それから首領と中也さんに伝言。
"不本意ですけどそっちに行くことになりました"って」

「護衛しますか?」

「やだなぁ、したら一瞬でバレちゃうよ。私のこと見ても全力で無視してって全員に伝えて」




廊下で黒スーツ着た人に頭下げられてるの見たら何事?って思うでしょ。

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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時

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