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伍拾話 ページ13







イリーナせんせいが弾いたのは幻想即興曲。
難しいのによく弾けるよね、ふつーに凄いし感心する。




「ね、そんな遠くで見てないでもっと近くで確かめて」




遠くにいた警備がその言葉でイリーナせんせいの近くに寄る。
これでほぼフリー状態、今なら行ける。

目の前にいる烏間せんせいに目を向ける前にイリーナせんせいを見るとハンドサインを出していた。
人差し指と中指だけ突き立てて数字、その後に通路を指さしていた。





「……A、ハニートラップをするなら私に云ってくれると嬉しいのだけど」

「しないので安心してください」




小声でそんなことを会話しながらなんとか全員が通過することが出来た。





「……さて、君等になるべく普段着のまま来させたのにも理由がある。入口の厳しいチェックさえ抜けてしまえばここからは客のフリができるのだ」

「客ゥ?悪い奴等が泊まるようなホテルなんでしょ、中学生の団体客なんているんスか?」




菅谷くんの問いに横にいた太宰さんがさらりと答えた。




「結構居るみたいだよ、それこそ芸能人だったりお金持ちだったりね。
甘やかされて育った子はあどけない顔のうちから悪い手遊びに浸るのさ。ね、A」

「……さぁ」




ここのホテル、今思えば1回だけ行ったことがある。マフィアの武器庫から盗った武器を横領してる奴等を鎮圧したんだっけ。
それこそ居るだけで何もしなかったけど。




「君達もそんな輩になったフリで…世の中をナメてる感じで歩いてみましょう」




せんせいのその言葉をきっかけにナメてる(?)顔をして歩き始めた皆。

……これ、ナメてるのかな。




「そうそうこの調子!!」

「この調子……か?あとおまえまでナメるな」




この件の主犯はどこまで調べているんだろう。
私と太宰さんのことを知らないにしても皆の顔ぐらいなら知ってるはず。
そう考えると必然的に足止めか何かの役をする人物だって知っていることになる。
それこそ殺気を見せない攻撃だったり、ね。




「ただし…我々も敵の顔を知りません。敵もまた客のフリで襲って来るかもしれない、充分に警戒して進みましょう」





エレベータを使わないってバレたなら侵入経路はひとつである階段が難所。
比較的見渡しの良い廊下だったりは要注意する必要があるかな。

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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時

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