タイムリミットは512時間

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横田side



北「何にもわかんない！！先生にわかるわけないじゃん！！天職なの！！仕事が好きなの！！みんなのことも何にも！全部覚えてない！！！！」




正直、圧倒された。




北斗くんの気持ちなんて、何にも考えないで。






ただ、『現実』って言葉並べて。
事実を淡々と述べて。







なんとか、1秒でも長く生きていてほしかった。





北「もう、いや！だいっ嫌い！！！！」


そう言って、点滴を抜き始めた。




記憶障害。
神経障害。



体調が、良くないのに、仕事をしないと、『死ぬ』って錯覚してしまう、



洗脳状態。



すべて。全部。




『光閉病』の症状なのに。




前の定期検診の時、わかってあげられなかった。





北「仕事やんないと！！とか思って、やってきたのに、なんで？！なんで、心配されなきゃなんないの？先生は、わかってくれてると思ってた！！！！！！」



「仕事がすべてなわけない！！なんとしても、生きてて欲しいの！！医師として。北斗くんの担当医として、そう思ってるの！！」




北斗くんが。




北斗くんがっ！





生きる意味を無くしてしまったら、




俺がいる意味がなくなってしまう。




それは、つまり医師を必要としてないということ。









それは、自ら『死』を望んでいるということ。






数分前、目を覚ました時の部屋は、明るくて綺麗な部屋だったのに。






今の、北斗くんの病室は、暗くて、地獄みたいなどん底風景が広がっていた。



ﾋｯｸ ﾋｯｸ
北「先生…。わからない。どうしよう。生きてたいとか思うのに。辛い。死にたいって思っちゃう。」





鞄に入ってたはずの薬たちが、





病室を舞ってる。





ｶﾞｯｼｬﾝ ｶﾞｯｼｬﾝ


ﾎﾟﾛ ﾎﾟﾛ ﾎﾟﾛ






俺の足元にも、薬が落ちてきた。

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