無個性の妹【ヒロアカ】【歌い手】 (ページ8)

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第２章、過去を打ち明けるページ8

私たちが中学校に上がるとき、最悪なことにデクと同じ学校へと進まなければいけなくなった。
その時程、私は家で感情を曝け出したことは無いだろう。

「何で？！何でデクと同じ学校へ行かなくちゃいけない訳？！」
「そ、それは出久、小学校の頃はいじめられてて…….」
「私がその身代わりに慣れって？意味不明！何で自分から虐められに行かないと行けないの？！」

何時もは居ない同然の奴が、感情的になったからか、お母さんは呆気に取られながら私にデクの身代わりになれと言った。
私は、とても自分が惨めに思えた。

「お母さんの子供は…….デクだけなの？」
「！！あ、ぁぉ…….」

いつの間にか私は、頬を涙で濡らして居た。
そして、これ以上惨めな思いはしたく無いからか、家を飛び出した。
これ以上、こんな家に居たくない。
私は走って走って走って、そらるの家に行った。

「そらる…….助けて…….」
「葵？！母さん！葵が！」

私が疲労でそらるに倒れ込むようにして抱きつくと、そらるは私を優しく抱きとめてくれた。
そして、そらるのお母さんが出てきた。

「葵ちゃん？！如何したの？こっちにいらっしゃい」

私は泣きながらそらるとそらるのお母さんに縋り付いた。

「ひっく…そら….そらまま、私…….も、ヤダよぉ…….」

ボロボロと涙が止まる事なく溢れてくる。

「母さん、葵、俺の部屋連れてくね」
「ええ、あ、真冬君達も呼んだ方がいい？」
「うん。葵、大丈夫だから、行こ？」

私はそらるに肩を貸してもらって、そらるの家に入った。
そらるのお母さんがあんなに心配してくれて居たのは、私が虐められて居たそらるを救ったから。
あの時はすっごいお礼を言われた。
あ、他のみんなのお母さんも同じだよ。
そらるの部屋に着くと、私はなりふり構わずそらるに抱き着いた。

「葵、泣いても良いよ」

私は、四歳の時以降、初めて泣いた。
声を上げて、そらるに抱き着きながら、泣いた。
私は、気が付いたら、泣き疲れて眠ってた。

「しょ、りゃりゅ…….ぁりゃと」

意識が朦朧とする中、そらるにお礼を言った。