第一話:中編 ページ2
「なぁ、牛鬼!
俺達は何も争いたくはない
ただ、この子を譲ってくれればいいんだ」
弥鳴は腕に抱いている子供に視線を向けた
『…俺の駒を殺したのはてめぇか?』
鋭い目つきで夜斗を睨みつける
『…まぁいいどうでもいい
俺は人間の肉が喰いたいんだ…
なぜお前ら…人の肉を必要としない妖に譲る必要がある?』
「答える義務はない」
夜斗が間髪入れずに言い放つ
『ふっ…がははははは!!!』
笑い声がこだまする
異様な雰囲気が漂う
『そうかそうか…
答える義務がないのなら
俺達も譲る義務はない…だろう?
今日の主食はそいつ…
そして、狐の妖力だ!!!』
その言葉を合図に一斉に襲い掛かって来る
3人は同時に巨木の枝へと飛び退き
したを見下ろした
逃げた巨木の幹に鬼たちが集まり
徐々に幹が腐っていく
「ねぇー夜斗!弥鳴!!
こいつら俺が仕留めていい?」
嬉々とした表情を浮かべながら
舌なめずりをし、八重歯を尖らせる
「好きにしろ」
「よっしゃあ!!」
その言葉を聞き終えるのと同時に
集団に向かって飛び込んでいった
鬼たちに埋もれ劉の姿が見えなくなった瞬間
青白い炎が燃え上がった
『ギャァアアアア!!!!』
断末魔が響き渡る
「ったく…なんで先に手を出すかな〜…」
弥鳴は頭をかかえて深いため息をついた
「俺はちゃんとどけと警告した」
「あんなの警告に入るか!!
大体お前はいつも…」
上で弥鳴の小言が始まろうとしていた一方、
下では、オニゴッコが始まろうとしていた
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