【ONEPIECE】楽しくもない人生の逆転 (ページ29)

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「味覚」ページ29

ドフラミンゴの城に来て約一週間。
だんだんとここの人達とも慣れた。

コンコンと扉がノックされるとガチャリと扉が開いた。

「A一緒に任務に行かないか？」

『任務？』

と言ってもただ見るだけだが…そう、私を任務に誘ったのはグラディウスだ。この前廊下を歩いている時に知り合った。

「ああ、俺と他の奴も来るんだが…勿論若様にも許可を取ってある。来るか？」

特に用事があるわけでもないので行く事にした。

『行く』

「そうか、ならすぐに支度しろ今から行くぞ」

『具体的に何をするんだ？』

と聞くと、取引相手に用がなくなったから掃除しに行く。掃除…多分私が思ってるような掃除では無いんだろうな。

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バンッ！バンッ！と銃声と悲鳴などの叫び声が響く。

「辞めろ！俺達に何の罪がある！」

「ギャー！」

やっぱりだ私の予想が当たった。掃除は部屋を綺麗にする掃除じゃない邪魔者を"片付ける"の方だ。

ビチャァと返り血が頬にかかった。

「キャー！ごめん！大丈夫？」

とデリンジャーが靴を血塗れにして歩み寄って来た。恐らく、デリンジャーがやった奴の血が飛んで来たののだろう。

『平気だ』

と返すとデリンジャーは平然と良かった～と言いながら掃除を再開した。

人が死んでも返り血を浴びても周りは普通としている。

この世界では、それが"普通"なんだろう。

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城に戻って主にデリンジャーの所為で血がついた服を洗った。服の生地が良いからか血は直ぐに落ちた。

一息つき、ソファに座ると丁度部屋の扉がコンコンとノックされた。どうぞと返すとガチャリと扉が開き、ベビー5がプレートを片手に部屋に入ってきた。

「食事を持ってきたわよ！」

『ありがとう』

ベビー5は机の上に食事を置くと、またねと言いながら部屋を出た。

プレートにはハンバーグが乗っている。

私はフォークを手に持ち、ハンバーグを口へと運んだ。

『…』

口の中に違和感を感じた。

…味がしない。

続けて私は他の料理を口へと運ぶ、あれもこれも全て…

味がしなかった。

『耳の次は今度は舌か…』

と小さく私は呟いた。

耳は一応、聞こえはするが、小さすぎる音や大きすぎる音、音楽や映像の音は聞こえない。

かと言って不便というほどでもない。

これに関して１つ…私は思うことがある。

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耳がダメになって良かった

五感について考えるもいつもそれを思う。