「冷たい」 ページ7
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『いい…』
「フッフッフ！つれねぇなぁ！」
とサングラスの男は愉快に笑い出した。
『まず、何で私を誘うの？』
別にこの場で殺しても良い筈だ。
「フッフッフッ…なんだろうなぁ？強いて言えば…
お前は世界をひっくり返すほどの"脅威"になりそうだからだ…‼!」
男は楽しそうに、また、不気味な笑い声を上げた。
脅威？意味が分からない…私が？脅威…確かに人よりは頭はおかしい…それとも、私が"無感情"だからか？……意味が分からない…何で私が…
「俺が言うんだ、信じろ。これでも感はかなり優れている方だ。」
と自信に満ち溢れた笑みを見せる。そう言うのを当てた経験が何度かあるのかな。
『でも…お前とは行かない』
「フッフッフ！そこは"行く"…だろ？」
と無駄に行くを強調して言う。
『興味が湧かない…いらない』
と私はそっぽを向いた。
「フッフッフッ！海賊は欲しいものがあれば何が何でも手に入れる主義だ‼!…今回は見逃す…だが…
次は…俺の手の上かもなぁ？」
ズイっと私の鼻と男の鼻が触れるか触れないかまでの距離まで接近し、そう言った。
そして、ゆっくりと離れ、不気味な笑い声を上げて何処かへと行った。
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『さっきの…死んだ人…生きてるかな』
私は生きているかもしれないと言う思いを抱えてピエロの男の元へと駆けつけた。
スッ
と私は男の顔をゆっくりと触れた…
冷たい…
酷く、冷たい。…のに、何故かピエロの男の顔は笑っている。
ジンジンと指先が痺れる。
この感覚…死んでる人の冷たさだ。触った事があるからわかる…
ああ…この人"死んだんだな"。
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・
そうだ、あの村の人。
最初に会った村の人。今頃、もう掃除は終わっている頃だろう。
…戻らなくちゃ
ザクッザクッザクッ！
…私は雪の上を走った。
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・
…あ…
さっきの場所に戻ると辺り一面、真っ赤に染まっていた。
『…』
ドス黒い赤…
しばらく、その辺を歩いているとふと目に入った…
見覚えのある"村の人"の顔。
私は村の人の顔をそっ…と触れてみた…
酷く冷たかった…
『この人も死んだのか』
_________私は降り注ぐ暗い雪道を歩いた。
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