復讐2 ページ30
文句を垂れながらも頼みをきいてくれるマルコに感謝した。
「俺も苛立ってるからねい、少しは分けてくれよい」
「好きにしろ、犬歯がデカいヤツだけは俺にやらせてくれればいい」
「…もしかして、Aなんかあったのか？」
察しの良いマルコはAに何かあったことに気がついたらしい。俺は無言で銃を顔の前で構えた。Aと仲間を襲ったヤツらに、最悪の最期を与えられるようにと祈った。
「皆殺しだ」
俺の言葉にマルコが一瞬動揺したのが分かった。マルコの背から飛び降りて射程内の敵を一掃した。
すると雑魚とは桁外れのスピードで斬りかかってくる男がいた。口元を見て、こいつだと確信した。他の敵はマルコが相手をしてくれている。
脚を撃てば自慢の速さも発揮できない。呻きながら転んだ男の首を掴んで、体を持ち上げた。
「ゔっ…」
「テメェか、噛み跡残してくれやがったのは」
意味がわからない、というようにこっちを見る男。さらに力を入れると手足をバタつかせて苦しむ。
「さっき攫ったのはウチのクルーだ。その中にいた女は俺のなんだ、何をしたのか汚ねえ口から全部吐かせてやる」
首を絞めていては喋れないだろうと手を緩めた。すると俺の手を掴んで逃げようとするが、軟弱なゴミに暴れられたところで何も感じない。
「首を噛んだのは分かってる。他には何をした」
「他っ…」
渋る男の頭に銃を向けた。焦ったように冷や汗を流して口を動かしている。
「何も…し、ていな、い」
「嘘だな。連れてくる時はどこに触れた？縛るときは？噛みつく時はどこにも手を置かなかったのか？…アイツの視界にどう入った、どうやって声を聞かせた、全部吐け！！」
「いちいち、覚えてられるかっ」
その言葉に苛ついて床へ打ちつけるように投げ捨てた。男は頭から血をながして、今にも意識が飛びそうな様子だ。
「急いでるんだ、死は免れられないんだからさっさとしろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなやぎ | 作成日時：2023年8月6日 18時
