改善 ページ26
次の島では前回果たせなかった分、コック陣と買い物をする約束をしたA。次の島でティベイと待ち合わせをしているのでさっさと買ってきて、すぐに出発しなければならない。
『いってきまーす』
イゾウに会うことなく外に出た。外に出ると伝えた時には特に止められなかった。イゾウは信頼できる仲間が側にいるなら大丈夫と快くではないが送り出した。
「来たかー！！たっくさん働いてもらうからな！」
『お任せあれ！』
Aは数人で散らばって買い物に奔走した。
一方イゾウは船でソワソワしながら過ごしていた。
「…あぁもう！！落ち着かねえな！いい加減にしろ！！」
「…悪い」
「心配なら見に行けばいいだろ！」
「嫌われるのはごめんだ」
「ホンットめんどくせえ！」
イゾウからしたら事件に巻き込まれてAを失うのも、嫌われて失うのも等しかった。嫌われず守りたい。混同した思いは行動を鈍らせた。
とりあえず心身統一、銃の手入れをする。Aが居る間はできなかったから…と手を動かしていたが、慣れているのもあってすぐに終わってしまった。
Aはそんなことは露知らず、肉を買いに走っていた。大人気の肉は開店直後に売り切れてしまう。今日の夕飯が豪華になるかを賭けた超重要任務だ。
「いいか、飛び込むぞ。しっかり掴まってろ！」
『はい！』
「俺が飛び込んで先頭に出た瞬間Aを押し出す。そしたら全力ダッシュだ」
『頑張ります！』
開店と同時に作戦通りに動く。そして無事に肉をゲットして満足そうに買い物を続けた。
店から出た。荷物が重くてゆっくりと歩いていた時のことだった。
「その肉、買えたんだな」
現地人か、変な様子の男が急に話しかけてきた。フードを深く被っていて目元は見えなかったが、八重歯が特徴的だった。
全員が警戒の色を見せる。
『えっ…はい…』
「A、こっちに」
すぐに戦えないAを遠ざける仲間達。
男が消えた。と思った瞬間、Aは意識を失った。
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作者名：はなやぎ | 作成日時：2023年8月6日 18時
