彼女だって家族だから【ONE PIECE】 (ページ3)

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おばけページ3

ある夜のこと。

私は昼寝をしてしまったせいで夜も眠れず、1人甲板に出た。

するとどこからかカーン、カーンと金槌のような音が聞こえた。その音は不気味で怖くなり、すぐにマストに登って見張りの人に助けを求めた。

『き、聞こえた？！』

「ギャイヤアァァァァ！！！」

『うわぁぁぁぁ！！…あ？』

「おっっ前ビビらせんじゃねえよ！」

『え？！』

見張りはジルさんだった。顔を出した瞬間叫ばれたのでこっちも驚いて叫んでしまったが、別に何かが起きたわけじゃなかったようだ。

「こんな時間に誰も船の修理なんてしねぇよ！」

『だから怖いんじゃん！』

「おーい！お前らは聞こえたかー？」

別のマストに居る見張りの人に声をかける。

「お、お祓いするぞ…！」

返事になっていないが、聞こえているとのことだろう。みんなは1人を残して降りていった。私も(自力だと時間がかかってしまうので)ジルさんにおぶられて甲板に降り立つ。

「お前らもつけろ！」

「んえ？」

『お札…？』

よくわからない文字？が書かれたお札※手作り
お祓いのための棒※手作り
松明※その辺に落ちてたやつに火をつけた
…の3点セットと謎の衣装で先に降りた数名が迎えてくれた。

「いくぞ！！」

一言気合いを入れると輪になって棒やらお札やらを振り回して何かを唱え始めた。

「なんまいだー悪霊退散〜食い逃げ退散〜…」

「…盗み食い退散〜悪霊の祓いー…」

「低速退散…危険の回避〜…悪天候ーたいさ〜ん…」

それぞれ自分の都合の悪い何かを退散させている…みんなごちゃごちゃ違うことを言っているのでそれ以上は聞き取れなかった。

私がお札を両手に困惑していると、船内から誰かが出てきた。

「うるっせぇな…何やってんだ。」

目を擦っているのはラクヨウさんだ。ラクヨウさんは私の隣に立つと何をしているのか尋ねてきた。

『なんかカーンカーンって聞こえて…おばけかなってみんなお祓いしてるとこ。』

「…それってモビーじゃねえの？」

『モビー？』

ラクヨウさんは回っているみんなを呆れたように眺めながら話してくれた。

「大切にしてる船に宿る精霊みたいなやつだ。確か…クラバウ、ターマンっつったかな…？」

『あ、聞いたことあるかも。』

なんだモビーなら怖くないや。むしろ大歓迎。
そうするとお祓いしてる人が滑稽に見えてきた。まあ思い出の1ページということで放置でいいか。