愛とは ページ39
頑張って頑張って瞼に力を入れるとやっと光を捉えた。
『あ…台所…？』
またここに来てしまった。私は、これからどうしよう。
うずくまって泣いた。もう何が涙で鼻水かわからないほどに、頭が痛くなって目の奥がジンジンするほどに。
どれくらい経ったかわからない。涙にも限界があるらしく、今はもう自分の身体は呼吸を整え始めていた。
そんな時、突然電話が鳴った。
『も、もしもし…』
「A？泣いているの？」
母だ。後ろで物音が聞こえるからきっと他の家族もみんないるんだろう。
「心配でかけちゃった…」
『そう…』
「みんなも心配してるの。みんなのAなんだから、今度は元気な姿を見せて。」
イゾウさんもそう言ってくれた。そう言って愛してくれた。
私はハッと顔をあげた。
私が死んだら悲しむ人がいる。イゾウさんが、モビーが教えてくれた。
『なんだ私…愛されてる…』
それは現実でも愛されていると教えてくれていた。イゾウさんからもらっていた愛は、私が元々家族から、友達からもらっていたものと同じだった。
やっと気づいた。
イゾウさんの代わりではないけれど、私はみんなに愛されている。ここがモビーでなくても、イゾウさんが居なくても愛されている。
今私が死んだらイゾウさんは悲しむだろう。
イゾウさんと同じくらい私のことを愛してくれるみんなも悲しむだろう。
私は生きなければならない。
イゾウさんといつか、会えたその時に笑えるように。
私の愛するみんなと、私を愛するみんなのために。
もうちょっとだけ、頑張ろうかな。
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はなやぎ(プロフ) - りかさん» えっ、すっごい嬉しいです！お褒めのお言葉ありがとうございます！！ (7月25日 22時) (
レス) @page18 id: bc10c687fc (このIDを非表示/違反報告)
りか - 一気に読んじゃうほど面白かったですー！ただの愛されじゃないのめっちゃリアルで怖いけど面白かったですよ (7月25日 20時) (レス) @page4 id: 05d2025b41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなやぎ | 作成日時：2023年5月18日 0時
