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『じゃあ、行ってきます。』
YG「ん。終わったら連絡して。迎えくる。」
記憶を無くしてから月に一度、定期的に検査を受けるあたしをユンギはいつも送り迎えしてくれる。
車を降りて病院に入れば、日曜日でもやっている大きな総合病院は混み合っていて、予約をしていてもいつだって待たされるのがおきまりのパターン。
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「アン・Aさーん。診察室2番にお入りくださーい。」
案の定、今日もあたしの名前が呼ばれたのは予約の時間を30分以上過ぎてから。
『失礼します。』
「こんにちは、アンさん。ごめんね、今日も押してて遅くなってしまった。」
『いえ、特に急ぎの用もないですから大丈夫です。』
「ありがとう、そう言ってもらえると助かるよ。…で、最近どうかな?なにか…思い出したことや体調に変化は?」
『相変わらずです…。ただ…』
「ただ…?」
『なんとなく、ほんとに些細なことなんですけど、ユンギ…一緒に住んでる人とした会話の中に、前にもこんな会話したような気がするな〜程度のことはありました。』
「そうですか。それだけでも、大きな事だと思いますよ。因みにどんな会話を?」
あの日から担当医としてお世話になっているソン先生は、50代半ばくらいの気さくな方。
真剣にあたしの話を聞きながらカルテにメモまで取ってくれていた。
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作者名:nonta | 作成日時:2018年3月20日 9時