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『今日はもう予約これで終わりなの?』
血に染まるガーゼや使い捨てのマシンの針の処理をしながらユンギにそう尋ねると、あともう1人来ると気怠そうに煙を吐き出しながら首を回した。
NJ「最近若い客すごく多いんだよ。」
YG「いざ入れるとなったら痛てぇ痛てぇうるさい奴ばっかで情けねぇ。」
『まぁ最近芸能人なんかもタトゥー入れてる人多いしね。若い子は影響受けやすいから。…ってあたし達もまだ若いけど。』
そうは言ったものの、顧客リストに目を通すとここ最近の来客は18歳、19歳がとてつもなく多くて、3つ4つ離れているだけなのにやっぱり十の位がひとつ違うだけであたしから見ても若いなと思ってしまう。
NJ「俺もコレ、すごく痛かった記憶あるよ。」
そう言ってナムジュンは左手首のタトゥーを撫でた。
YG「そんなとこちっとも痛くねぇよ。脇腹とかまじ悶絶もんだから。」
そりゃ全身至る所にタトゥーを入れてるユンギからしたら手首一箇所のタトゥーで痛かったと嘆くナムジュンなんて大したこと無いと思うのかもしれないけど、普通に考えて痛いと思う。
ほぼ自傷行為と変わらないんだから。
それでも何か思いがあってタトゥーを入れる人は沢山いる。
世間一般的にあまり認められていないこの職業を生業とするユンギは、一体全てのタトゥーにどんな思いや意味を込めているのかわからないけど、男にしては綺麗過ぎるその白肌を埋める鮮やかな絵達は、あたしからすると少し勿体無いなと思えて仕方ないのだ。
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作者名:nonta | 作成日時:2018年3月20日 9時