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何でかなんて分からないけど、私は無意識のうちにその人の服を掴んでいて。
『行かないで…。』
そう呟けば
「…はぁ。しょうがないな…こんなこともう2度としちゃダメだよ。」
そう言って私を優しく抱き締めてキスをすると、ゆっくりとベッドに押し倒した。
正直その後のことはかなり記憶が曖昧で。
ただ何度も彼が私の瞼にキスをしながら可愛い可愛いと言ってくれるから、本当に愛されているような錯覚に陥っていたことと、チラリと見えた彼の目がひどく綺麗だったことは覚えている。
目を覚ますと相変わらず真っ暗な部屋なベッドの上、どうやら初体験を捧げたその彼は私を抱き締めて寝ているようで。
どうにかその腕を抜け出して、僅かな光を頼りに脱がされた衣類を掻き集めて着替えると、私は逃げるようにその部屋を出た。
帰り道、写真が無いことに気付いたけど、ホテルに引き返すことは出来なくて。
どうせもうあの頃には戻れないのだと悟った私は、父との綺麗な思い出に蓋をした。
あの日一夜を共にした彼も、どこの誰とも知れない男だったけど、彼には感謝している。
きっともう2度と会うことはないだろうけど、私はあの日を忘れることはないだろう。
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alexandrite_bbc(プロフ) - ものすごく面白いです！更新とっても楽しみにしております！ (2018年1月25日 22時) (
レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
泉楓(プロフ) - このお話大好きです！面白くて続きがホントに楽しみです！更新待ってます！ (2018年1月25日 12時) (レス) id: e4e12326fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nonta
| 作成日時：2018年1月6日 14時
