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ただいまも言わずに玄関から自分の部屋へ直行すれば、その後を追うように開いた部屋の扉。
「おい、帰ってきたのにお父さんにただいまもなしかー？」
『お父さんじゃないでしょう。あなたはただの同居人よ。』
「頑固な小娘だなぁ？ま、いいわ。ほらこれ。今日の待ち合わせ場所な。」
フーッとタバコの煙を私の顔に吐き出したその男は私に1枚のメモを渡すと部屋から出て行った。
メモには汚い字でホテルの名前と待ち合わせの時間が書かれていて、私はそのメモを丸めてゴミ箱に捨てると制服を脱ぎ捨てて私服に着替えてスッピンの顔に軽く化粧を施した。
こんな生活はもう2年以上になる。
慣れとは恐ろしいもので、最初は何処の誰とも知れない男と寝るだなんて嫌で嫌で仕方なかったけれど、自分の生活がかかっていることを知るとこんな所で死ぬことは出来ないとやけくそになった私は毎日学校から帰るとあのネオン街へ繰り出している。
毎日のように母の彼氏であるあの男がどういった経緯で約束してきているのか分からないけど、ホテルと時間を指定したメモを渡してくる。
その日私が持ち帰ったお金はほぼ全額、母とあの男のものとなる。
僅かに残された金額が私の生活費となるのだ。
コツコツと貯めたそのお金は、高校卒業する頃にはここを出て1人でアパートを借りられるくらいの金額にはなるはず。
あと少しの辛抱だ。
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alexandrite_bbc(プロフ) - ものすごく面白いです！更新とっても楽しみにしております！ (2018年1月25日 22時) (
レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
泉楓(プロフ) - このお話大好きです！面白くて続きがホントに楽しみです！更新待ってます！ (2018年1月25日 12時) (レス) id: e4e12326fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nonta
| 作成日時：2018年1月6日 14時
