運命の人なんかじゃない。[TH] (ページ27)

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足の指先を開いたり閉じたり、ブンブンと上下に動かしてみたりする。それを見た先生はにっこりと笑ってカルテに書き込んだ。

「うん、平気そうね。ちゃんと筋も繋がってる」

「平気ですよね？だからもう定期検査は「ダメ、あなたのオモニにも言われてるからあと最低半年は来なさい」

月1でも面倒くさいのにそれがあと半年...長いな～...

でも心配そうな表情をする先生を見てたらそんなこと言えなくて、いつも通りお礼を言って診察室を出るとジミナがいた。

「待合室で待っててよかったのに」

JM「早く聞きたかったから。どうだった？」

「もう平気だって。ちゃんと筋も繋がってるって」

JM「よかった。練習で悪化したら本末転倒だもんね。ユンギヒョンも喜ぶよ」

「そうだといいな。もう先ついてるかな」

JM「多分、さっきもうすぐ着くってラインきたから」

「わ、じゃあ急がないと」

練習着の入った重たいカバンを肩にかけ直して足早で病院を出た。

YG「じゃあもう足は平気なんだな」

「はい。もう完全回復です」

カフェで向かい側に座ってるユンギオッパに指でピースサインを作って軽く突き出すとオッパは安心したように息を軽く吐いた。

YG「じゃあ体の心配はしなくてよさそうだな。試験前に言うことじゃないけども」

そういえば、と前置きしてユンギオッパがコーヒーをすする。

YG「今回の試験、芸術祭の主演選びも兼ねてるらしいぞ」

芸術祭っていうのは他の大学でいう文化祭みたいなもので、私の大学ではそこを作品を出したり舞台をしたりとまさしく1年の集大成の場にしている。

JM「え、もう？早くないですか？」

YG「あくまで予選のメンバーを決めるらしいけどな。で、今回はどうするんだ？」

ユンギオッパの視線が私に向いて、なんとなく察していた話の流れに姿勢を正す。

「出ます。今度こそジミナと踊りたいです」

YG「…平気なんだな？」

「はい」

JM「大丈夫、僕らならやれるよきっと」

ジミナが微笑んでそう言ってくれたから心が軽くなる。それに答えるように頷いていると

JM「あれ、テヒョンだ」

ジミナの視界にちょうどカフェの入り口が入ったらしく、中に入ってくるテヒョンがいた。ジミンの声に気づいて驚いたような表情をしながらこっちにやってきた。