運命の人なんかじゃない。[TH] (ページ26)

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「ふぁ～...」

起きたばっかりなのに大きいあくびをしながらベッド出て、脱ぎ散らかしたスウェットを拾う。それを羽織りながらリビングに出ると朝の日差しが窓から差し込んでいた。

何食べようかな、ていうか冷蔵庫の中何かあったっけ。

「うわ、またプロテイン増えてる」

相変わらずの冷蔵庫の中に辟易しながら奥からなんとかミルクを取り出してグラスに注いでると

JK「おはよ、A」

後ろから手を回されて、肩に顎が乗せられる。振り向くとシャワー上がりで髪が濡れたままのジョングクがいた。

「髪乾かさないと風邪ひくよ」

JK「いーよ、Aあったかいし」

いや、そういう問題じゃない。ていうか普通に服濡れる。

強引に体を捻って首から下げられていたタオルで頭を拭く。拭いてる最中も体に回した腕を離してくれないからやりにくい。

「ていうか服も着てよ、寒いでしょ」

JK「誰かさんが間違えて着ちゃってるから着れませーん」

「...あ」

言われて気づいた。これジョングクのスウェットだ。ごめん、と謝って慌てて脱ごうとしたらジョングクが驚いたように笑った。

JK「え、脱ぐの？きゃーエッチー」

「もうずっと上裸でいて」

するとジョングクは冗談冗談と笑ってソファの背にかけてあったシャツを着た。あるなら最初からちゃんと着てよ。

私の視線に気づいたのかジョングクは棚から出した食パンを咥えながら笑った。

JK「そういえば、テヒョニヒョンにバレた」

「？なにが？」

私もジョングクと同じように食パンを取り出してそれをトースターに入れる。ジョングクはかじられた食パンを手に取ってソファに座った。

JK「僕とAが知り合い、っていうか友達以上ってこと」

「じゃあもう友達って言う必要ないね」

JK「ダメ、ちゃんと告白してないし。俺が独占欲強いの知ってるでしょ？」

「独占欲って...」

焼き上がった食パンをお皿に乗せてジャムを塗りながらジョングクの隣に座る。

「もう私は君のものなのに、なんでそんなこだわるの」

JK「うわ、今のセリフちょーいい」

食パンを食べようとしたらその手首を掴まれて、軽くキスされる。

JK「...やっぱもう一回しない？」

「しない。病院行かないと」

JK「じゃあキスだけ」

ジョングクはそう言って微笑むとさっきよりも深く唇を重ねてきた。