運命の人なんかじゃない。[TH] (ページ3)

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NH「なにその羨ましい状況！！！？？？」

昨日私に降りかかった災難を友達のミヒに話したら、興奮した声音でそう返された。カフェテリア全体に声が響き渡って慌てて口に指を立てる。

「いや、私困ってMH「だって演劇コースのキム・テヒョンってあのキム・テヒョンでしょ！？演劇の王子の！！」

うわ、ダサっ。

と言いかけたのをなんとか飲み込んでミヒを落ち着かせる。ミヒ曰く、テヒョンはここ最近の演劇コースの舞台の主演を務め続けていて、演技力が同学年で抜きん出てるくらい上手いらしい。で、そのせいかモテるらしい。

MH「A本当に何も知らないんだね」

「逆にコース違うのにそんなに知ってることの方がびっくりだよ」

MH「だって有名人だもん。Aのコースでも付き合ったことある子いるんじゃないかな」

「へえ…」

よくオンマそんな人連れてこれたな、どこで知り合ったんだろう。行くあてなんて沢山あるだろうに。

MH「演劇の王子と2人っきりの生活…あ～！羨ましい！！」

うっとりとした表情でスプーンを咥えるミヒをみて疑問しか浮かばない。そんないい人かなあの人、確かにイケメンだとは思うけどあの告白の振り方聞いた限りじゃキツそう。

「羨ましいって、ミヒ彼氏いるじゃん」

MH「それはそれ、これはこれ！ていうかAだって」

ちょうどその時お昼時間がもうすぐ終わるベルが鳴って、隣の椅子に置いていたリュックを背負って立ち上がる。

MH「課題ダンス練習でしょ？頑張れ、バレエコースのエース！」

「期待されても、舞台立てないの知ってるでしょ？」

苦笑しながら空になったお皿を乗せたトレーを持つ。まだ残りのお昼ご飯をもぐもぐと食べているミヒに軽く手を振ってスタジオに向かった。