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シャリシャリとりんごの皮をむきながらボーっとキッチンに突っ立っている私。
今日はレッスンも講義もなく、マストで休まなくちゃいけない日＝暇な日だからすることもなくてただ延々と皮をむいている。
結局なんとかレッスンに集中してジミナとのペアダンスを先生に見てもらえた。もうすぐある試験の課題だから私が出来ないとジミナも出来ない人として見られてしまう。それだけは絶対避けないと。そのためにはもう1回ユンギオッパのピアノで踊って、それでタイミング合わせてTH「りんごの皮なが」
「うわっ、びっくりした！」
いきなり背後から声をかけられて持っていた包丁を落としそうになる。キッと視線を後ろに向けると寝癖がつきっぱのパジャマ姿のテヒョンがいた。
「包丁持ってて危ないからいきなり声かけないで」
強めに言うとテヒョンは一瞬目を見開いてごめん…と呟いた。うわ、謝れるんだこの人。
TH「何その顔、謝るよ悪いと思ったら」
ちょっと拗ねたような表情をしてテヒョンが私の手元を覗き込む。キッチンテーブルの上に置かれてる袋の中にも手を伸ばしてコチュジャンをヒョイと取り上げた。
TH「ダッカルビ？」
「うん、お腹すいたから。もう昼だし」
TH「…俺も手伝っていい？」
またもや意外発言。今度こそ驚きで口を開けるとテヒョンがまた眉を寄せたから、慌ててピーラーを渡す。
「はい、これで人参の皮むいて」
TH「…これどうやって使うの？」
…ほんとに？本気で言ってる？
「今までどうしてたの？ここ来る前も1人暮らしだよね」
TH「女の子に作ってもらってた」
たった一言だけど充分納得できた。多分女の子が喜んで料理するんだろうな、と容易に想像できてしまって少し苦笑する。
「じゃあしょうがないね」
引き出しから予備のピーラーを出して、むき方を教えようとテヒョンから人参を受け取ろうとした時に上から視線を感じた。目だけ動かしてみると、テヒョンがじっと私を見ていた。
大きくて澄んだ茶色い瞳で。
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作者名：あいす
| 作成日時：2019年10月4日 1時
