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演劇コースの集団を案内して練習部屋に辿りつく。入った瞬間口々に声が上がる。
「すげー!でけー!ひろー!」
「テヒョナー!なんで言わなかったんだよ!!」
興奮した演劇コースのメンバーにバシバシと背中を叩かれてテヒョナはすぐに嫌そうな表情をする。そういう反応されるのが嫌だったからだよ、と言わんばかりだ。
「一応防音だから音も流してもらっていいです。コードはあそこにあって、プレイヤーもあっちにあります。勝手に使っていいですし、時間もいくらでもどうぞ」
「あ、ありがとう…」
先輩に軽く機材の場所を指差して説明してから部屋を出ようとする。けれどすぐに誰かに手首を掴まれた。
TH「ちょっと話あんだけど」
TH「なんであんなこと言ったの」
2人でリビングに入った瞬間に壁を背にされてテヒョンを見上げる形にされて、整った顔立ちが急に目の前にきて思わず顎を引っ込める。
「だって困ってたじゃん。普段使ってない練習部屋貸したっていいでしょ」
TH「だからってこんないきなり…」
テヒョンは深いため息をついて後ろにあるソファの手すりの部分に座る。そして顔を見上げて私を見た。
TH「誰でもそうなんだな、Aは」
「え?」
TH「誰に対しても公平ってこと」
言ってることはなんとなく分かる。けど、なんでそれをそんな寂しそうな表情で言うのか。なんでそんな沈んだ声で言うのか。
テヒョン、と声をかけようとした時、突然グイっと後ろから誰かに肩のあたりを抱かれた。そしてそのまま腕の中に収まる。
JK「そうだよテヒョニヒョン」
「え、ジョングク…?!」
来るなんて聞いてない。いきなりすぎる。驚きすぎて固まってる私を見て微笑んでから、ジョングクは視線をテヒョンに戻した。
TH「なんでお前いんだよ」
JK「テヒョニヒョンの先輩に映像撮ってくれって頼まれたんですよ。それにここの鍵持ってるし」
鍵の束を指でくるりと回してテヒョンに見せる。確かにあげたけども…こんな突然は初めてだ。
JK「僕がいない時にA口説かないでくださいよ」
ジョングクは冗談ぽくそう言うと、後ろから私の肩に顎を乗せて笑った。
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月4日 1時