35. ページ5
「雨だ...」
アトリエの窓に張り付いた水滴をみて思わずため息が出る。なんでこんな気分下がってる時に、こんな天気になるのか。ほんと、最近ツいてない。
さっきの警察の事情聴取も長かった。私のものなのに盗作してる前提で話を進めてるの感じがビシビシ伝わって最悪だった。でもそこで警察に言い返したらまためんどくさいことになるからガマンしたけど。
暇だから新しい衣装でも考えようかなとかもういっそ全然違くて溜めてた映画の録画見ようかなとか考えたけどイマイチやる気が起きない。
自分の中でぐちぐち文句を言っていると玄関のインターホンが鳴った。一瞬記者の人かと思って玄関カメラを押したら
「ジョングク」
JK『ヌナ入れて』
せっぱつまった表情に押されて玄関のドアを開けると、ジャケットを濡らしたジョングクがそこにいた。
「仕事はどうしたの?1人で来たの、なんで」
JK「ヌナ」
私の言葉を遮って、ジョングクが一歩詰める。フードが庇いきれなかった雨がジョングクの前髪を濡らしていて、その隙間から黒い瞳が見えた。
JK「無理しないでよ、ヌナ」
「…無理なんて」
JK「嘘。ヌナ前自分で言ってたじゃん」
ジャケットを脱ぎながら、ジョングクが一歩一歩近づいてくる。そうして私の腕を掴んで見つめてきた。
JK「昔2人で話してた時、辛い時あったら自分に言い聞かせて頑張るって、それで乗り越えるようにするって。ヌナ、さっきすごい自分に言い聞かせてたよ。それって…辛いってことじゃないの?」
大丈夫、平気、気にしないで。
確かにそんな言葉ばっかり言ってた気がする。でもそれは本当に心から思ってることで、言い聞かせてるわけじゃない。
「そんなこと、な、い…」
言い切る前に、何かが頬を伝った。ジョングクの瞳が大きく見開かれる。
あれ、私泣いてる。
そう認識した瞬間、ジョングクに腕を引っ張られ大きな胸元に引き寄せられた。
1459人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞姫(プロフ) - たまちむさん» お待たせして申し訳ございません〜泣これからは定期的に出来るようにしますのでよろしくお願いしまーす!! (2019年8月8日 21時) (レス) id: 9c8a3f79d6 (このIDを非表示/違反報告)
たまちむ - 面白くなって来ましたね!更新頑張ってください、応援してます! (2019年8月6日 1時) (レス) id: 11b0bd599c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あいす | 作成日時:2019年8月1日 14時